忠清南道舒川郡、1泊2日グルメの旅

 港や海鮮市場、食堂、薄緑の柳、黄色いアブラナに彩られた5月、忠清南道舒川郡への1泊2日の旅をレポートする。


13:00 「貝の王さま」でだしを取った海鮮カルグクスと若大根の葉の麦飯ビビンバに舌鼓

 錦江河口の堤防入り口にある「ポルグァテ海鮮カルグクス(韓国式うどん)」から舒川のグルメ旅行をスタートする。「貝の王さま」と呼ばれる、ツルツルとした光沢のある白いハマグリをふんだんに使ったカルグクスだ。舒川の海鮮カルグクスならではの魅力は、若大根の葉の麦飯ビビンバがセットでついてくること。麦飯とシャキシャキとした歯ごたえの若大根の葉を混ぜて食べる。一人前5500ウォン(約450円)。



14:30 ポンソン貯水池の柳と新聖里の緑のススキ

 ポンソン貯水池に生える薄緑の柳と新聖里の緑のススキで、舒川の春を感じる。馬山面にあるポンソン貯水池は、忠清南道で2番目に大きい貯水池だ。水中に根を張る柳が水辺で揺れる景色が美しい。最近は、貯水池を1周する散策路も舗装され、足に優しい、柔らかな土の道になっている。歩道の両側に作られた花壇には、ヨメナやユキノシタ、イワギボウシなど、可愛らしい小さな草花が植えられ、観光客を温かく出迎えてくれる。


 次に、隣村の新聖里のススキ林へと足を運ぶ。映画『共同警備区域JSA』のロケ地となった、あのススキ林だ。広さは10万坪(約33万平方メートル)で、ドラマ『チュノ~推奴~』や映画『双花店』も、ここで撮影された。人間のひざくらいの高さまで伸びた若い緑色のススキが、夏以降の絶景を予感させる。

16:00 韓山カラムシ舘

 昔から、舒川郡は知らずとも、同郡韓山面を知っている人は多かった。韓山カラムシが有名だからだ。しかし、化学繊維の発達により、危機に陥った韓国産カラムシは、中国との交易が始まったことで、さらに致命傷を受けた。文化観光解説を行うソ・ナムオク氏(52)は、「現在はカラムシの命脈が尽き、韓国に残っているのは韓山のみ」とため息をつく。カラムシ館では、韓山の高齢者たちが、カラムシができるまでの過程を実演している。高齢者たちが歯でカラムシを裂く様子は、芸術の域に達している。しかしカラムシ織りの歴史は、女性残酷史の悲しい歴史でもある。舌や唇が裂け、徐々に固くなっていく。その固くなった唇がさらに数十回裂け、完全に「豆」のようになったとき、カラムシ織りの達人となるという話を聞き、息がつまるような思いがした。

19:22 冬栢亭の夕日


 馬梁里の椿の林から西海(黄海)に沈む夕日を眺める。馬梁の冬栢亭から見る夕日は、韓国西海岸でも1、2位を争うほどの美しさだ。雲一つない馬梁の海がオレンジ色に染まる瞬間の静けさは、樹齢500年のヤブツバキの花が地面に落ちる音が聞こえるほどだ。陸地から見る風景よりも、島の裏手の景色が絶景だという。次にここに訪れるときは、事前に漁船を手配し、船の上から夕日を眺めてみたいものだ。

20:00 地の果て、海が始まる所

 洪元港の刺し身タウンの端にある「ノベンイ灯台刺し身店」で遅めの夕食を取る。2階と3階の食堂は全面ガラス張りで、見晴らしは最高だ。しかし、値段は天然のヒラメとワタリガニが1キロ当たり6万ウォン(約4900円)とかなり高めだ。舒川ヒラメ・タイ・フェスティバル期間中は、1キロ当たり4万5000ウォン(約3600円)に値下げする予定だという。近くの馬梁漁村水産物販売所に行くと、もう少し手軽な価格で食べることができる。1階では海産物を販売しており、2階が食堂だ。値段は日によって変わる。

10:30 舒川特化市場の人気店で舌平目の天ぷら

 舒川の沖合で獲れた海産物が1カ所に集まるところ。舒川邑の中心街にある舒川特化市場では、130軒以上の店が、それぞれ新鮮な海産物を販売している。2階からの見晴らしが最高。舒川沖は、舌平目が獲れることでも有名だ。

 3食すべて海鮮料理を堪能した後は、ピリっと辛いキムチチゲで口直し。韓国家庭料理店「ヘソ時計」のキムチチゲ(5000ウォン=約400円)は、この地で有名な店。昼食時間だけ営業している。コメは店主の夫が水田で収穫したもので、店主のパク・ミラさんが毎日市場へ行き、その日のメニューを決める。チゲはイシモチのメウンタン(海産物の辛いチゲ)、ガンギエイのスープ、スケトウダラのチゲ、キムチチゲなどを日替わりで提供する。おかずとして出される天ぷらは、いくらでも食べられるほど絶品だ。

オ・スウン記者 , 写真=イ・ギョンホ記者
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