6月は韓国映画の大反撃が始まる。
『義兄弟』(今年2月公開)以降、今ひとつ振るわなかった韓国映画だが、6月には華麗なるラインナップでヒットを狙う。これまで、カンヌ国際映画祭に出品された韓国映画は、話題は集めたものの興行面ではそれほど成果を収められなかった。『下女』も通算観客動員数200万人を越える程度に甘んじていた。
しかし、6月に公開される韓国映画は、そうした不振を一気に跳ね飛ばす勢いの作品ばかりだ。
まず、3日に『房子伝』が公開される。『房子伝』は『恋の罠 -淫乱書生-』のキム・デウが監督、古典物語『春香伝』をモチーフに登場人物を大胆に解釈し直した時代劇だ。春香(チュンヒャン)と李夢竜(イ・モンリョン)の切ない恋物語ではなく、夢竜の下男である房子(パンジャ)を中心に、春香と李夢竜との三角関係を描いた。房子は肉体的な魅力があふれる人物として描かれているだけに、春香とのベッドシーンはストーリーを引っ張る重要なアイテムでもある。
その房子と春香のベッドシーンはもちろん、李夢竜と下女・香丹(ヒャンダン)のベッドシーンなど、ハードな場面が何度も登場する。制作段階からそのハードさはうわさになっていたほどで、現在、各検索サイトの映画検索で1位になっている。
16日には、100億ウォン(約7億5000万円)が投じられた戦争大作映画『砲火の中へ』が封切られる。『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン監督が手掛ける『砲火の中へ』は、韓国戦争(朝鮮戦争)時に北朝鮮軍に対峙(たいじ)した学徒兵71人の物語だ。
米スタンフォード大学で初公開され、現地メディアにも好評だった。この夏、唯一の韓国映画大作ということでも、早々に期待を集めている。
24日に公開されるキム・テギュン監督の『裸足の夢』はダークホースとして注目されている作品。東ティモールの少年たちにサッカーを教えた元サッカー選手のキム・シンファンさんが、2004年に広島国際少年サッカー大会で優勝を果たした奇跡のような実話の映画化だ。
当初は10日に公開される予定だったが、24日の公開になった。早くから試写会を行ったこともあり、口コミで人気が広がっている。6月はワールドカップ南アフリカ大会が開幕するため、公開後は少なからぬ反響を呼ぶことだろう。