チョン・ドヨン、カンヌ映画祭直前インタビュー(上)

『下女』で再びカンヌのレッドカーペットを踏むチョン・ドヨン
「シナリオを理解するのは難しかったが、監督の魅力に出演を決心。前回のカンヌはプレッシャーで萎縮していたが、今回は余裕を持って楽しみたい」



 2007年に続き、今年もカンヌのレッドカーペットを歩くことになったチョン・ドヨン(37)は、とても期待を膨らませているようだった。その期待は受賞に対するものというより、「勝者の余裕」のようなものだった。チョン・ドヨンはイム・サンス監督の新作映画『下女』で、邸宅の主人の男と肉体関係を持つ家政婦を演じた。07年に映画『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンは、3年ぶりに再びカンヌに招待された。13日の映画公開に続き、14日にはカンヌのレッドカーペットで多くのカメラのフラッシュを前に立ったチョン・ドヨンに、カンヌ出発前、ソウル・光化門のカフェで会った。

―カンヌへ行く気分は3年前とは違うでしょう。

 「ワクワクしています。前に行った時は何も分からず、気が重かったです。無視されたりはしませんでしたが、誰にも関心を持ってもらえない女優でしたから。変な劣等感のようなものを感じました。世界的に有名な監督、俳優たちの中で感じる威圧感みたいなものがありました。わたしはとても狭いところで暮らしてきたんだな、と思いました。当時は、縮こまらないで堂々としていようとするあまり、新しい経験を楽しむこともできず、自分の殻に閉じこもり過ぎていました。今回は、本当に軽やかな気持ちで楽しめるような気がします。(わたしについての)関心でも、記事でも」

―それでも授賞式のことははっきり覚えていますよね。

 「レッドカーペットを歩いて入り口に向かったのですが、わたしにチケットを見せろというのです。とても驚いて、『こんなことがあり得るのかしら』と思いましたが、授賞式会場に入った瞬間、厳粛な気持ちになりました。この会場の中にわたしがいるんだ、わたしは成功したんだ、本当に生きててよかった、と思って。いざ、わたしの名前が呼ばれて舞台に立ち、感想を話した時には、何が何だか分からず、全く記憶がないくらい無我の境地でした」

―すでに外国メディアからインタビューの申し込みが殺到しているそうですが。

 「3年前のあの女優が、またコンペティション部門に出るというので、どんな映画なのか気になっているのではないでしょうか」

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