映像物等級委・放送通信審議委・青少年委「PV審議がうちの管轄?」
公演モニタリング機関なし、担当職員わずか3人
放送通信審議委員会は1月13日、ケーブルテレビチャンネルETNの番組『ミュージックボックス』で放送された、ガールズグループ2NE1(トゥエニーワン)のメンバー、サンダラ・パクが歌う「Kiss(Feat. CL)」のプロモーションビデオ(PV)に対し、「修正」勧告を出した。「繰り返し映し出される飲酒シーンや紙幣を破るシーンなどが、子どもや青少年の視聴に不適切」という理由からだった。しかし、一部の人々には失笑を買った。このPVよりもエロチックなシーンが登場する衝撃的なPVはあちこちで流され、あふれているのに、「ご愛嬌(あいきょう)」程度のPVに制裁措置が出たからだ。
K-POP界に極端な扇情性競争が吹き荒れている最も決定的な原因は、審議システムの欠陥にある。特に、インターネット上に多い性的なイメージのPVは、どの審議機関も自分たちが管轄すべき仕事だとは思っていない。
韓国で映画・ビデオ・DVDなどについてレーティング(視聴可能な年齢制限枠や規定)をしている映像物等級委員会は、「最近広まっているインターネットPVは、歌をPRするために無料で配布されるものなので、審議を行っていない」としている。審議対象は、販売を目的に制作された映像だけだというのだ。同委員会関係者は「その上、PVは地上波やケーブルテレビチャンネルで放送される場合、放送局により自主審議が行われるので、当委員会が介入する余地はない」と語った。しかし、芸能事務所は最近、エロチックなシーンを極力抑えた放送向けPVと、できる限り刺激的になるよう編集したインターネット向けPVという2種類以上のバージョンを制作、メディアを使い分けPRしている。
放送通信審議委員会も同様だ。同委員会は放送委員会時代と違い、インターネット上の有害コンテンツについて審議権限を持っているが、2008年の発足以来、一度もインターネットPVを審議していない。過去2年間にインターネットの問題コンテンツ約2万7000件に対し是正要求を行ったのとは対照的だ。ビキニを着た女性モデルたちの写真に是正要求をしておきながら、性行為をストレートに描いた一部PVに対してはお手上げ状態だ。