インタビュー:ファン・ジョンミン、演技観の変化を語る(下)


-実際のファン・ジョンミンの人生観と通じる部分はあるか。

 「ある。僕も注目を浴びる人生は望まない。ただ俳優の仕事をしながら、ピエロを演じたいと思う。正道ばかりを歩む人はいないはず。道を外したり、後悔したり…。そしてある瞬間、この道は間違っているのではないかと迷ったり、もう1度歩き始めたり…。それが人間らしいのではないかと思う。だから僕は、どこか足りないような人生が好きだ」

-同い年の俳優チャ・スンウォンと初めての共演だが。

 「演じるときに細かい部分までいろいろ話し合うのはあまり好きではないが、チャ・スンウォンさんとはそういう面が似ていた。初めてだったけれど、話をしなくても気持ちが通じ合っていると感じた。だからまた共演しようと声をかけた」

 映画だけではなく、演劇やミュージカルなど、休みなく活動を続け、ここ数年間、韓国で最も忙しい俳優の一人といわれるファン・ジョンミンが、自身の演技観の変化について語った。


 ファン・ジョンミンは「40歳を過ぎ、俳優という仕事を楽しみながらできるようになったと思う。これまで映画を撮影するときは、敏感になり過ぎていると思うほど、自分を追いつめながら作品の分析に没頭したものだが、『影の殺人』の撮影のときから、肩の力を抜くことができるようになった。セリフも覚えないまま、役に対する自信だけを持つようにして、その時々の状況を楽しむよう努力した」と語った。

 その過程で「こんな風に演技をしてもいいのだろうか」と思うこともあったが、思い切って挑戦してみた結果、満足のいく演技ができ、このような演じ方は今回の『雲から抜けた月のように』にもつながった。

 ファン・ジョンミンは「きっと、これまでがむしゃらに走り続けてきたため、新しい方法で演技をもっと楽しめ、という意味だったのだと思う」と言ってほほ笑んだ。

 また、映画のほか演劇やミュージカルにも挑戦している理由については、「俳優という仕事は、舞台やカメラの前で演技をしてこそ存在感が生まれると思うので、わざといろいろな作品に出演するようにしている」と語った。

チャン・ソユン記者
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