「第一に、暴露は必須。第二に、芸能界の人脈を総動員する。第三に、特技を公開する」
これは2月22日、MBCテレビのワイドショー『気分がいい日』で放送されたもので、トーク番組に出演するタレントがカットされないための3大法則だ。このワイドショーではまた、「トーク番組がタレントにとって生き残りの場となっている」との話も出た。
最近、地上波テレビ局の夜11時台はトーク番組であふれている。ほとんど毎晩、同時間帯はそれぞれの局で看板トーク番組が組まれている。月曜と火曜は二つのトーク番組がしのぎを削っており、週末は午後の時間帯もトーク形式のバラエティー番組が占めている。
注目すべき点は、これらがほとんど「集団トーク番組」ということだ。メイン司会者一人か二人に少なくて数人、多くは数十人のゲストが出演し、舌戦を繰り広げる。米国などトーク番組が発達した国でも、こうした傾向は見当たらない。
■舌戦をあおる「ひな壇トーク番組」
現在、地上波で放送されているトーク番組は全部で15本。このうち、KBSテレビの『お話ショー“楽”』と『キム・ドンゴンの韓国、韓国人』を除けば、すべて集団トーク番組だ。過去に放送されていた『ジャニー・ユン・ショー』『チュ・ビョンジン・ショー』といった、司会者一人に出演者一人という形式のトーク番組は見当たらなくなった。
問題は、集団トーク番組が暴露や暴言、毒舌であふれているということだ。制限された時間内に多くの出演者の話を盛り込まなければならないため、その程度はどんどんエスカレートしている。
KAIST(韓国科学技術院)情報メディア経営大学院のチョン・ジェミン教授は、「集団トーク番組は出演者同士の競争をあおり、特出した発言や暴露的な発言を生む。トーク番組はドラマとは異なり、“公的な空間”が“私的な空間”に変わる状況が展開されるため、視聴者の意識や言語習慣に直接的な影響を及ぼす」と語った。
集団トーク番組で放送される暴言や暴露は、証券街の情報誌を彷彿(ほうふつ)させる。整形手術や過去の交際相手に対する告白はもはや当たり前。夫婦で出演するトーク番組では、「夫が豊胸手術を強要する」「夫がルームサロン(高級個室バー)通いを始め、離婚寸前の危機に至ったことがある」といった話が飛び出す。「わたしにアプローチしてきたタレント○人」「白紙小切手やスポーンサーのオファーを受けた」という告白は定番メニューだ。
SBSテレビの『カン&イ・スンギの強心臓(カンシムジャン)』は、初めから「心臓を揺れ動かすような衝撃的な話だけが生き残る」をコンセプトに、20人ほどのタレントがトークバトルを繰り広げる。「整形手術に失敗後、対人恐怖症となった」というスターの涙話や、「あんた、ちょっとおかしいんじゃないの」といった舌戦が主をなす。トーク番組形式だが、セクシーダンスや出演陣の特技対決もある。