うららかな陽気が人々に幸福感をもたらす5月は、韓国中が季節感あふれる多彩なイベントで盛り上がる。お茶の香り、竹の香りに酔いしれ、その中で繰り広げられるさまざまなイベントを満喫しているうちに、いつしか時がたつのも忘れてしまうことだろう。
■江陵端午祭
1000年の歴史と伝統を誇る江陵端午祭は、韓半島(朝鮮半島)の背骨・太白山脈の東に位置する江原道江陵市の各地域で、住民組織によって行われる伝統行事だ。山の神や男女の守護神などを祭る宗教儀式を、芸術的なレベルにまで引き上げた、際立った特色を持つ祭りで、韓国の重要無形文化財第13号に指定されるとともに、2005年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に選ばれ、「人類が保存し継承すべき貴重な文化遺産」として名実ともに認められた。神酒づくり、大関嶺の山神祭などの伝統行事に始まり、ブランコやシルム(韓国相撲)、綱引き、投壷(矢を壷の中に投げ入れる遊び)といったアトラクションが繰り広げられるほか、韓国最大の臨時市も開かれ、各地域の特産品や工芸品が並ぶ。
*アクセス:ソウル・江南高速バスターミナルから江陵行きバス利用(所要時間:2時間50分)
*日:5月18日-6月19日
*住所: 江原道江陵市・端午祭会場および各地域の指定会場
*Tel: 82-33-641-1593
*ホームページ: www.danojefestival.or.kr
■潭陽(タムヤン)竹祭り
第12回潭陽竹祭りは、全羅南道潭陽郡の代表的な観光地である竹緑苑・官防堤林の一帯で行われる。「青いささやき、竹の物語」をテーマとする今回の竹祭りでは、「竹博覧会」や、竹緑苑、メタセコイアの街路樹などを歩く健康ウォーキング大会、竹の盆栽の展示会、竹いかだ体験、竹を使った遊びの体験、爆竹遊びなど、潭陽のランドマークといえる竹を存分に活かした、独特かつ新鮮な体験イベントが繰り広げられる。全羅南道を代表するリフレッシュ型観光地・竹緑苑や、美しい官防堤林、メタセコイアの街路樹などで繰り広げられる竹祭りは、家族連れを対象とした体験イベントを中心としており、竹の里・潭陽だけで楽しむことができる、差別化されたイベントだといえる。
*アクセス: ソウル・江南高速バスターミナルから潭陽行きバス利用(所要時間:3時間45分)
*日 : 5月1日-5日
*住所: 全羅南道潭陽郡の竹緑苑・官防堤林一帯
*Tel: 82-61-380-3151
*ホームページ: www.bamboofestival.co.kr
■春川マイム・フェスティバル
今年で22回目を迎える春川マイム・フェスティバルは、純粋な芸術公演と、伝統的な祭りを合体させた祭りだ。「世界三大マイム・フェスティバル」の一つとされ、アジアでは最大規模のマイム・フェスティバルといっても過言ではない。体のちょっとした動きさえも、立派な演技として認められる春川マイム・フェスティバルは、体とその動き、そこから連想されるイメージを中心的なテーマに繰り広げられ、逸脱感や解放感を味わうことができる、独特な祭りだ。3日間にわたり、夜も休むことなくパフォーマンスが繰り広げられる「狂った金曜日」や、トッケビ(韓国の妖怪)祭りなど、さまざまなイベントが行われる春川マイム・フェスティバルに足を運べば、誰もが愉快な気分に浸れることだろう。
*アクセス: ソウル・江南高速バスターミナルまたは東ソウル・バスターミナルから春川行きバス利用(所要時間:2時間)、または清凉里駅から京春線で南春川駅まで1時間40分
*日: 5月23日-30日
*住所: 江原道春川市ウダマリ(子ども会館一帯)
*Tel: 82-33-242-0585
*ホームページ: http://mimefestival.com
■河東自然茶文化祭り
昨年、文化体育観光部から「韓国を代表する祭り」に選ばれた「河東自然茶文化祭り」は、ソムジン江の流れに沿って桜が延々と咲き誇ることで有名な慶尚南道河東郡花開面で行われ、「韓国茶人大会」や「韓国緑茶アレンジ料理コンテスト」などの多彩なイベントが繰り広げられる。天の恵みたる自然景観と、「スローシティー」河東のお茶文化を満喫しながら、花開市場やサンゲ寺、平沙里、チェ・チャムパン旧宅(朴景利<パク・キョンリ>の小説『土地』の舞台)、花開面・岳陽面一帯の緑茶村など、さまざまな観光地を回るのも一興だ。
*アクセス: ソウル南部市外バスターミナルから河東行きバス利用(所要時間:5時間)
*日 : 5月1日-5日
*住所: 慶尚南道河東郡・お茶文化センター
*Tel: 82-55-880-2375
*ホームページ: http://festival.hadong.go.kr
記事=ペ・ムンギョン