生活の知恵から生まれたアクセサリーメドゥプ


 「メドゥプ」とは韓国語で「ひもの結び目」という意味だ。糸をよってから数本をまとめて1本のひもにし、結び目を作っていけば一つのメドゥプが完成する。韓服をじっと観察したことがある方なら、女性用韓服の上衣「チョゴリ」の合わせ目に飾られたアクセサリー「ノリゲ」をご覧になったかもしれない。ノリゲの下に長く垂れ下がっている飾り房をまとめているのもメドゥプの技法の一つだ。また、昔のうちわに付いていた飾り用の「オルチュ」、住民登録カードと同じ役割をした「号牌」のひも飾り、きんちゃく袋の口を開けたり閉めたりできるように編んだひも、帯などもメドゥプで作られた。衣服やアクセサリーだけでなく、夏に細く割った竹を編んで作ったませ垣、家長の部屋にある状差し、部屋の明かりのかさにもメドゥプが使われた。
 今では衣服やインテリアなど装飾用として活用される、繊細で小さなメドゥプが主流だが、以前はひもを結んでつなぐ時、数本のひもに結び目を作る時、複数の品物をまとめたり、ひもで結んで引っかけたりする時など、実用的な用途にも使われた。だから、メドゥプは韓国だけでなく日本・中国・西洋にもある庶民的な装飾技法と言えるだろう。日本の「組みひも」はひもを結んだり編んだりするところは似ているが、素材やデザインが違うほか、最後に玉どめをしないので、韓国のメドゥプとは違う模様になる。
 韓国のメドゥプは高級感のあるシルクを使い、光沢や気品に優れ、一つ一つ職人の手による繊細で熟練した作業を要する。メドゥプの模様は菊・チョウ・花・魚など自然界の美しい素材をモチーフにしており、一目一目心を込めて、時には貴重な宝石も編み込まれるため、その芸術的な価値は非常に高い。


東琳メドゥプ博物館

 2004年4月にオープンした「東琳メドゥプ博物館」は、伝統家屋・韓屋に展示室を設けているので、韓国の情緒がたっぷりと感じられる。バラエティーに富んだデザインや用途のメドゥプはもちろん、メドゥプを作るのに必要な糸やひも、アクセサリーなどの材料が豊富にそろっており、5000~1万ウォンあればアクセサリー用の小さなメドゥプ作りが体験できる。

■開館案内

*アクセス: 地下鉄3号線安国(안국)駅2番出口から嘉会洞方面へ徒歩10分。または安国駅2番出口からコミュニティーバス2番に乗り、トンミ薬局前で下車。トンミ薬局向かい側の路地に入って左。

*住所: ソウル市鍾路区嘉会洞11-7

*Tel: 82-2-3673-2778

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