インタビュー:チャン・ヒョク「ビジュアルのために体作りをしたことはない」(上)


 チャン・ヒョクは、『チュノ~推奴~』(以下『チュノ』)で、一人の女性をずっと思い続け、探し求めてチュノ(逃亡奴婢を捕まえる人)となったイ・テギルを演じた。時代劇初挑戦ながら、素晴らしい演技で視聴者の視線をとらえて離さなかった。

韓国での放送は先月終わったが、その目、表情だけでカリスマを感じさせる演技は今も目に焼き付いている。『チュノ』であらためてその演技力が高く評価されたチャン・ヒョクに、話を聞いた。

―『チュノ』に出演を決めた理由は何だったのでしょうか。

「時代劇の中でも特色があると思いました。アクション・スペクタキュラーで、アクション俳優としても見せられると(笑)。また、環境によって、チュノになるしかなかった男で、善か悪かを決められない。そして一人の女性に深い愛をずっと持ち続けている…そんなところに魅力を感じ、俳優としてさまざまな姿を見せられると思ったのです」



―チャン・ヒョクさんが、初回に脚本を全部覚えていたと聞きましたが、本当ですか。台本を覚える秘訣(ひけつ)は。

「人それぞれですが、自分はしっかり脚本を入れてから、演技プランに入るほうです。脚本が初めに8話分できていたので、全部覚えて撮影に入りました。毎日少しずつ覚えるだけです(笑)」

―アクションで苦労した点はありますか。

「10年ほど、截拳道(ジークンドー)をやっているので、苦労はありませんでした。截拳道は、ブルース・リーが始めた武術です。それが、デキルのキャラクターとアクションスタイルに合っている思い、監督と武術監督と一緒にアクションシーンを作っていきました」

―前半では、見事な体を露出するシーンが多かったのですが、体作りは大変でしたか。

「特に…(笑)。昔からトレーニングはしているので、特別にビジュアルのために何かしたということはないです。ただ、初めに監督に、映画『300〈スリーハンドレッド〉』の俳優のような体を作ってほしい、と言われていました。あの映画の戦うスパルタ人のように、体を使って生きる庶民の男の姿を肉体で見せたかったのです。なので、みんな頑張って体を鍛えていました(笑)」



―確かに、テギル以外も皆さんモムチャンが多かったです。「ライバル」はいましたか。

「オ・ジホさん、ハン・ジョンスさん…皆さん、それぞれ素晴らしかったと思います。デニー・アンさんも、露出はないんですが素敵です。でも、そういう見た目より、キャラクターをどう作っていくかが重要です。そういう意味では、ソン・ドンイルさんが演じているチョン・ジホが一番カッコいいと思いました。ソン・ドンイルさんとの演技にはとても気を遣いました」

―チュノ3人組のハン・ジョンスさん、キム・ジソクさんとの呼吸、かけ合いなどがとても楽しそうでよかったですが、オフショットではどんな雰囲気でしたか。

「いい雰囲気でしたよ。特に何をいうことはないですが、話をよくしました。演技の話とか、趣味の話とか…。最初は一緒のシーンが多かったのですが、ある時点から別々になって、久しぶりにあった時は、ドラマのシーンようにうれしかったですね」



ソウル=野崎友子通信員

(C)Kim Mal Ju

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