故チェ・ジニョンさん、最後に残した文面公開


 故チェ・ジニョンさんの生涯最後の文面が公開された。

 日曜新聞は5日、「自殺当日、あるいは数日前に作成したと推定されるチェ・ジニョン最後の文」を報じた。

 公開されたチェさんの文面は、遺書と推定される便箋一枚の分量で、死や魂、永遠などに触れた詩的な表現が綴られている。

 この文面には「全ての人生は夢だ。真夏の夜の夢」「死んだら魂はどこに行くのか、永遠での世界、魂はどこから来て、どこに行くのだろうか」など死を連想させる言葉が何度も繰り返されている。

 特に目を引くのは「いつかは全て捨てて旅立つ。死も苦痛も全て捨てて旅立つのだ。吹け、風よびゅうびゅう吹け」という言葉だ。まるで自分の死を予見するような表現だ。


 この文の裏面には「2010.3.23火曜日くもり」と始まる日記形式の文もある。この文には、故チェ・ジンシルさんの二人の子どもであり、おいのファニとジュニの日常生活や学校であった小さなエピソードが明るい雰囲気で書かれている。ただ最後の部分に「ファニ、これからはジュニの面倒を見て、助けてあげなさい」という叔父の最後の頼みが綴られており、見る人々をさらに切なくさせた。

 故人の母チョンさんがチェ・ジニョンさんに送った手紙は、破かれた状態のまま公開された。

 そのうち内容を把握できるのが2枚の分量の手紙で、主な内容は息子の心配や将来に関するものだった。

 手紙には「生きるのはとてもバカげていて残酷だね。お前が強くいてくれてこそ、母さんも生きられる。お前は日に日に縮こまり、世間と垣根を作り、妥協せず、不平不満を言ったからといって誰が理解するのか。(中略)立ち直りなさい。とにかく立ち直りなさい」「お前はもう少し強くなり、活発になるべき。学校にも行って人にも会って、明るく生きなさい」などの内容が綴られている。息子に対する心配が垣間見られる文面だ。

 一方では、チェ・ジニョンさんが外部との接触を絶ち、一人で過ごした時間が多かったことも意味している。手紙の中に「ジニョン、わたしがお前と向き合って話したことは一度もないね」という一文もある。結局、故人が母親とも会話を断絶したまま過ごしていたとみられる。

 チェ・ジニョンさんは先月29日午後2時14分、ソウル市ノンヒョン洞の自宅で遺体で発見された。

パク・ジョングォン記者
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