ドラマ『チュノ』のロケ地をめぐる旅(下)

■ススキの海=海南郡コチョンアム湖のススキ林

 デギルがテハを捕まえてほしいという左議政の依頼を受け入れる前、デギルとテハが初めて対決を繰り広げるシーンが登場する。テハが官庁の奴隷たちと一緒に逃げるときだ。テハとデギルはススキ林で命を懸けた戦いを繰り広げる。



 その場所が海南郡コチョンアム湖のススキ林で、既に何度も映画のロケ地として使用されている。映画『風の丘を越えて-西便制-』『殺人の記憶』もここで撮影された。元々、コチョンアム湖は渡り鳥で有名なところ。12月から2月にかけて、たくさんのトモエガモが集まり、地球上に生息する95-98%のトモエガモがここで冬を越すというから驚きだ。ススキ林はコチョンアム湖の一帯約14キロにわたり広がっている。

■秘密の渓谷=抱川ピドゥルギナン

 追いつ追われつの旅程で、デギルは幾度もテハを捕まえるチャンスを逃す。テハに向かって投げた刀がキム・ヘウォン(イ・ダヘ)に当たるシーンも、そのうちの一つだ。テハはけがをしたヘウォンを洞窟へ連れて行き、介抱する。この洞窟のシーンに使われたのが、京畿道抱川のピドゥルギナンだ。

 ハト(ピドゥルギ)が多く生息していた絶壁(ナン)ということで、「ピドゥルギナン」と呼ばれるこの場所は、玄武岩(火山岩の一種)地帯だ。流れ出した溶岩が長い歳月により滝や洞窟を形成し、この滝を流れる水は漢灘江に合流する。そのため、この地は上水源保護区域に指定され、一般人の出入りが禁止されている。同ドラマの制作陣は、抱川郡から撮影許可を得て、ロケを行った。

■絶壁と海が一つに=波濤里海水浴場

 清の竜骨大(ユン・ドンファン)が丙子胡乱(へいしこらん)の後、 昭顕世子(カン・ソンミン)を連れて清に戻る途中、テハの一行がこれを襲う。馬が舞い上げる土ぼこりが画面いっぱいに広がる場面で、海の景色はどこにも見当たらないが、このシーンは海辺で撮影された。忠清南道泰安にある波濤里海水浴場で、コンピューターグラフィックスを使って撮影したという。

 波濤里海水浴場は、風化作用によりできた絶壁が果てしなく続いているのが特徴。ユン・ディレクターは、「最初にこの場所をロケ地に選んだときは、独特な雰囲気の海辺で撮影しようと思ったが、クァク・ジョンファン・プロデューサーが峡谷でのアクションシーンを提案した」と話した。干潮と満潮の差が激しく、三日間にわたり、常に干潮の時間を確認しながら撮影に臨んだという。

海南=キム・ウソン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース