インタビュー: YKK KOREA-CEO 佐々木慶弘


 ファスナーをはじめとする非鉄金属製品の世界的なメーカー、YKK。その韓国法人「YKK KOREA」の最高経営責任者(CEO)を務める佐々木慶弘氏は、国際的な人材として業務能力を認められ、23年にわたり外国の支社だけで勤務してきた企業人だ。太っ腹な印象と、若々しく見える目元は、人々の気持ちを楽にさせてくれるものがある。そして、「食べ物の好みが韓国人に近くなっている」と言い、ぶっきらぼうで素朴な味を自慢げに語った。さっぱりしたカキ料理が好きだという佐々木氏に、カキ料理店でのインタビューを試みた。

-YKKが世界的な企業だということは広く知られていますが、韓国法人の規模はどのくらいになるのでしょうか。
 「YKKは、世界約70カ国・地域の企業117社に、高品質のファスナーを供給しています。韓国の現地法人“YKK KOREA”は、1977年9月に設立され、京畿道平沢市に生産施設を置いています。現在、約350人の従業員が、年間に約2億2000万個のファスナーを生産しており、このほかにも、プラスチックバックル、スナップファスナー、ボタンなどを生産・販売しています。2008年には1億ドルの売り上げを達成するなど、グループ内部でも先導的なトータル・ファスニング・ソリューション・カンパニーとしての地歩を固めつつあり、覇気あふれる会社としてアピールしていきたいです」


-韓国にはいつ来られましたか。
 「米国で18年間勤務したのち、2005年2月から、韓国法人に勤務しています。率直に言って、赴任するまでは、韓国がこれほど住みやすい国だとは考えていませんでした。儒教思想の影響が根強く、また尊敬語があるためなのか、人々が礼儀正しいです。米国で副社長を務めていた当時、部下がわたしを 「ジャック」と呼んでいたことを考えると、天と地ほどの差だと思います」


-韓国の旅行先では、どこが最も印象に残っていますか。
 「釜山、慶州、光州、江原道に行きましたが、その中では慶州が記憶に残っています。日本では歴史の本の中だけでしか見たことがなかったため、とても興味深いものがありました。光州もまた、韓国の民主化運動が起こった地域という観点で、関心を持っていました。その上、見たことのある映画のシーンと重なり、見聞を広めることができました」


-ソウルの週末はとても人が多いため、どこかへ遠出したいと思うことが多いですが、日帰りで出掛けるとしたら、どこがいいですか。
 「一日だけ、ソウルを離れて遊びに行くことは無理です。もちろん、都会の雑踏を離れればリラックスできますが、ソウルへ戻るときには激しい渋滞に巻き込まれるため、結局、帰り道でストレスを感じてしまいます。なので、1日しか休みがないときは、ソウル市内の観光を楽しむのがベストです。わたしが住んでいる竜山区漢南洞の周辺では、早朝の南山公園のハイキングコースがとても気に入っています。春から秋にかけてはとても空気が爽やかで、ロケーションも最高です。また冬には、本を1冊持って、チムジルバン (サウナ主体の韓国式健康ランド)へ行くのが最高です。日本人の知人たちと一緒に夕飯を食べた後、チムジルバンへ行けば、皆で楽しむことができます」


-韓国の食べ物では、何が好きですか。
 「一番好きなのは、ムグンジ (キムジャンキムチ〈秋にまとめて漬け込む越冬用のキムチ〉が熟成したもの)を使ったキムチチゲです。それからヘムルタン (海鮮鍋)、サムギョプサル (豚バラ肉の焼き肉)と一緒に焼いたキムチも絶品です。日本へ1週間ほど出張に行って帰ってくると、これらを無性に食べたくなります」


-韓国を旅する日本人観光客のために、ぜひアドバイスを。
「余裕があったら、毎回違う季節に韓国へ来ることをお勧めします。寒い冬、暑い夏、それぞれに特色があり、食べ物も季節ごとに違います。ソウル以外の地方のイベントに合わせて来るのもいいと思います」



キム・ミョンジャ・カキクッパ専門店

 ソウル駅から崇礼門(南大門)方面へ歩くと、大きなビルの間にいくつもの路地がある。古びた建物が多いせいか、人々は見向きもせず通り過ぎてしまいがちだ。だが、このエリアにあるオフィスで長年働いてきた人たちは知っている。このようなところにこそ、隠れた名店があるということを。
佐々木氏が愛するカキクッパの店も、この路地にある。「カキクッパ専門店」という大きな看板が掲げられたこの店は、カキを使ってさまざまな料理を提供しているが、最も無難で、腹持ちがいいのは何と言ってもカキクッパだ。おいしいだけでなく、これを1杯食べれば、寒い冬でも汗が出るほど体が温まる。
1階よりも地下で食べる方がおすすめだ。地下は靴を脱いで上がるオンドル部屋になっている。昼休みには空席がないほど込み合うため、できれば1時以降に行くのがいいだろう。
カキクッパのほかにも、カキチヂミ、豚肉やキムチと一緒に包んで食べる「ポッサム」など、カキのさまざまな食べ方を楽しめる。毎日食べても飽きないほど、佐々木氏はカキを愛している。日本では想像もできない、6000ウォンという値段で、カキを思う存分食べられるからだ。退勤後にはときどき、同僚たちとともに、カキチヂミをさかなに生マッコリを飲むという。その味はまた芸術的だ、と佐々木氏は話した。




■開館案内

*アクセス: 地下鉄4号線ソウル(서울)駅下車、4番出口を出て右側の1本目の路地を入り、まっすぐ進んで、2本目の大きな路地を左に入る。

*住所: ソウル市中区南大門路5街12-15

*営業時間: 9時-20時(土曜日は午前10時-午後8時)

*Tel: 82-2-778-1095

*定休日:日曜日

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