【インタビュー】「たまには悪い男になりたい」イ・ソンギュン(下)

CM界でも大人気


 「ドラマで思い切り大声を出し、キレまくるので、内心スッキリします。でも、これまで『ソフトな男』というイメージで撮ったCMがすごく多いから、今回の役でスポンサーが嫌がったらどうしよう、というのが一番の心配です(笑)」

 事実、イ・ソンギュンはスポンサーが好感を持つCMイメージキャラクターの上位に入る。30秒で消費者のハートをキャッチしなければならないCMの特性上、イメージキャラクターが持つ「穏やかな笑顔と甘いささやき」はスポンサーにとって喉から手が出るほど欲しい切り札だ。だから、イ・ソンギュンは最もパーフェクトなCMキャラクターの一人なのだ。

 無名のころから自身のイメージにピッタリな知的専門職の役を演じてきたイ・ソンギュン。ドラマ『ラブホリック』では心温かく品のある検事、『逃亡者イ・ドゥヨン』では警察学校を首席で卒業した刑事を熱演した。それ以降、数多くのドラマを経て、消化器内科助教授、ミュージシャン、エコな有機農業を実践する会社の代表など、さまざまな専門職を演じ、自身の知的なイメージをあますところなく発揮してきた。

 イ・ソンギュンの第二の魅力は、頼もしい声だ。鼻音交じりの独特で穏やかな声。ドラマ挿入歌で自ら、その甘い歌声を披露したこともある。

 そして、イ・ソンギュンの魅力といえば、はにかむような笑顔。CMイメージキャラクターとして人気なのも、この笑顔が決め手だ。

 こうした魅力の数々で、昨年のCM界は「イ・ソンギュン・ブーム」が巻き起こった。もうすぐパパになる既婚者だが、その温かく穏やかな笑顔は理想の「家庭的な男」そのもので、食品や家電製品のCMで大人気だ。

 『パスタ』の「悪い男」役で「CMが打ち切りになるのでは?」と冗談交じりに話すイ・ソンギュン。もちろん、ロマンチックな男を期待していた視聴者には180度違うその演技が残念でたまらないかも知れない。しかし、固定観念にとらわれず、俳優としてワンステップずつ階段を上がっていく姿を見守りつつ、2010年のイ・ソンギュンの限りない飛躍に期待したい。

取材=ピ・オクヒ 写真=イ・サンユン

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