インタビュー:キム・ソナが「悪い女」宣言


 「わたしは他人を気遣い、すごくお節介を焼いていたので、これからはほどほどにしようと思っています。女優らしく、神経質で言葉もストレートにしようと。最近3、4年間、そうしようと努力しています。そうすれば人々が神秘感を抱くだろうから」

 生まれて初めて、指に「ソナLOVE」というタトゥーまで入れて登場したキム・ソナは、「悪い女になる」と宣言した。

 正直、少し驚いた。いや、なぜ演技でもなく、私生活まで悪い女として生きたいと思うのか。キム・ソナの言葉を借りれば、悪い女は自分自身を愛する女性だという。逆に優しい女は、自分より他人を気遣う女性。そういう意味で、自分は悪い女になりたいという。

 「うちの母や叔母、弟、妹たちは、わたしから来た手紙が一番多いと言います。つらいことがあると、手紙を書いてドアの前に置いておくんですよ」

 「ロマンチックですね」と相づちを打つと、キム・ソナは「ええ。わたしは本当にロマンチックな人間で、かわいらしいものが好きなんです。でもこれからは、そういうことはやめようと思います」と力を込めて語った。



 「米国に行くとき、飛行機に乗ると13時間ぐらいかかりますよね。機内によく、無料の葉書が置いてあるじゃないですか。わたし、無料がすごく好きなんです(笑)。それで、わたしは手帳を取り出して、住所録をチェックします。一人一人の名前をメモし、そのときから手紙を書き始めるようになったんですよ。それを何年も続けました。これからはそれもアウトです」

 キム・ソナは作品が終わると、毎回スタッフたちの写真を撮り、カレンダーを作ってあげることで有名だ。昨年、ドラマ『シティーホール』(SBS)の時も、スタッフ一人一人の写真を撮り、思い出をプレゼントした。「もう10年たちましたが、それもしないつもりです」

 「もらう人が本当に喜んでいるのに、なぜ?」と聞くと、キム・ソナは「そりゃ、もらう人は幸せでしょう。でも、返ってくるものがありません。わたしがいつもやるから、あの子はいつもやる子、わたしはいつもやる子、というわけです」と答えた。

 何か明らかにすねた様子だ。傷つけられた経験でもありそうだが、誰にされたのだろうか。

 インタビュー開始から1時間を過ぎても、キム・ソナは理由を明らかにしなかった。言いたそうだが、喉の奥で言葉を我慢しているように感じられた。インタビューが終わるまで、キム・ソナがどれぐらい正直に話すか分からないが、8時間近いグラビア撮影や取材で疲れているからだろうと思い、答えをせかさなかった。

 しばらくして、キム・ソナが本音を語り始めた。

 「ほら、一度階段で倒れた人は、階段を上がる際、怖気づくことがあるじゃないですか。同じ失敗をしないためにですが、それよりも恐さを感じるのです。わたしは情が深い方なんですよ。涙も多いし。でも人に情を与えたら、自分に返ってきますか」

 さて、この質問に答えられる人が何人いるだろうか。考え込んでいると、キム・ソナが言葉を続けた。

 「わたしは、映画が制作段階で中止になるケースもあるということを初めて知りました。そのため、裁判ざたに巻き込まれるということも、人々の話題に上ることが恐いということも初めて知りました」
 「先日、本当に親しい人たちに、“お前はかなり損するタイプ”と言われました。ほかの人は9回遊びに行き、1回出かけなければ褒められますが、わたしは1回遊びに行き、9回出かけなくても、“キム・ソナが遊んでいる”と言われます。子どものころからそうでした。普段は家でおとなしくしていても、1回遊びに行くだけで怒られました。目立つみたいです。運が悪いのか。

何が損なのか、はっきり言えませんが、損するのはもう嫌ですね」

キム・ギョウル記者
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