観光コースとしてよみがえるドラマ『アイリス』(下)

盤浦大橋・月光レインボー噴水でのキスシーンは実現せず

 「なぜ北朝鮮が光化門広場で核テロを行おうとするのですか」(ソンファ)、「ここはソウルの象徴で中心だ。朝鮮王朝以来、600年以上国家の顔だった」(ヒョンジュン)。

 このセリフは、ソウル市が制作陣に提案したものだ。ソウル市のペ・ゴンスン・メディア協力チーム長は、「ドラマのセリフを通じて光化門広場を説明した方が効果が高いとみて、提案した」と語った。

 もともとドラマの台本で、核爆弾は光化門広場の地下にある展示室「世宗物語」に隠されているものと設定されていた。しかし、核爆弾がソウル・シティーツアーバスに仕掛けられていることにしよう、という市の提案が採用された。

 数百個のノズルから水が噴射される盤浦大橋・月光レインボー噴水で企画されていたロマンティックなシーンは、惜しくも実現しなかった。もともと、ヒョンジュンとスンヒがこの噴水の前でキスをするはずだったが、気温が零下9度まで下がったため噴水のノズルが凍てつき、噴水から水が出なかったことから中止となった。

 光化門広場では、ソウル市の公務員が朝鮮時代の武官の服装をし、歴史を説明する人物役で、エキストラ出演した。ドラマ制作を担当したテウォン・エンターテイメントのパク・ミリョン・マーケティング室長は、「ソウル市の公務員らは撮影期間中、終始ロケーション・プロデューサー(PD)や制作PDを務めたといっても過言ではない。制作支援の概念を超え、制作パートナーだった」と説明した。

3月初めからツアーコースに

 劇中、ヒョンジュンが大統領と会った場所、北ソウル夢の森展望台は、昨年11月25日の放送で登場した後、1日平均700人だった訪問客が1500人ほどに急増した。ソウル市は「北ソウル夢の森展望台には、『アイリス』のキャストらの写真が展示されるアイリスホールとフォトゾーンが設置される予定。4月中旬に日本のTBSで『アイリス』の放送が開始されれば、訪問客はさらに増えるだろう」との見方を示している。

 『アイリス』ツアーコースも3月初旬に設置される予定だ。2泊3日のコースは、京畿道加平に位置する主人公の家のセットや国家安全(NSS)状況室に設定された同道竜仁市のサムスン・タレスビルなど、ソウル近郊のロケ地を見学した後、光化門広場、北ソウル夢の森展望台、月光レインボー噴水、汝矣島・水光広場などを見て回る。3泊4日のコースは、これに夕焼け公園、仙遊島公園、広津橋「リバービュー8番街」が加わる。また市は、ドラマに登場したソウルの名所を巡るソウル・シティーツアーバスの路線も設ける予定だ。

 ソウル市のキム・ソンスン広報担当官は、「ニュージーランドは映画『ロード・オブ・ザ・リング』により、年間4兆ウォン(約3100億円)の観光収益を上げている。ソウルも『アイリス』を通じて、市内の名所を国内外の人々に広く知らしめ、観光収益も上げられるはず」と語った。

キム・ソンウォン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース