チョン・ソニに笑顔が戻った。
2008年に夫のアン・ジェファンさん、親しかったチェ・ジンシルさんが相次いでこの世を去った。二人の死にまつわるあらゆるうわさがチョン・ソニを苦しめた。世間は騒ぎ、そのすべての矢はチョン・ソニに向けられた。事実かどうかに関係なく、周りの人々がチョン・ソニの安否を気遣うまでになった。そして、チョン・ソニは長い間沈黙した。
チョン・ソニは昨年、ようやくラジオに復帰。そして、ケーブルテレビのトーク番組『イ・ギョンシル&チョン・ソニのじゃぶじゃぶハウス』(SBS E! TV)で、再びテレビで笑顔を見せる(2月18日放送予定)。チョン・ソニの笑顔をめぐり、多くの人々がさまざまな思いを抱く。そこで、チョン・ソニに直接聞いてみた。
■チョン・ソニ
少し前まで、チョン・ソニの芸能界復帰の成功を占う人はいなかった。笑わせなければならない宿命を持つコメディアンにとって、夫と友人の死は決してたやすく克服できる出来事ではない。そんなチョン・ソニが最近、所属事務所を移籍し、本格的な芸能活動に乗り出した。確実に大きな変化が生じたからだ。
「初めは絶望感が圧倒的でした。立ち上がる力どころか、耐えなくちゃという考えすら浮かびませんでした。芸能界復帰は全く想像もできなかったこと。ただ“助けてください”と祈るだけでした」
ところがチョン・ソニの母親は、一度も「これからどうするの?」とは言わず、いつも「答えがあるはず。理由があるはず」と話したという。信仰とともに、母の存在が一番大きな力となった。
少しずつ安定を取り戻したチョン・ソニは、自分を心配してくれる仲間やファンに対する感謝や申し訳ない気持ちから、復帰を決心した。
「復帰をしないでいることが、甘えているようで恥ずかしかったです。周りに心配ばかりかけていたので。もともと化粧をあまりしない方なのに、すっぴんでいると、皆が“大丈夫?”と心配をするので、最近はわざわざ化粧をしています。化粧をすることで、“わたしは大丈夫です”というサインを送っているんです」
もちろんチョン・ソニも、復帰を快く思わないファンらの冷たい視線を感じている。
「わたしに対し、よく思っていない視線や世論のムチは、当然わたしが受けるべき。謙虚に受け入れています」
■アン・ジェファン
さまざまな疑惑と問題を残し、夫アン・ジェファンさんが突然この世を去った。故人の家族は、相変わらず疑惑が晴れないとし、チョン・ソニに抗議した。しかし、チョン・ソニは一度も返事をしなかった。
「“なぜ何の対応もしないのか”と聞かれることがあります。でもこれ以上、泥仕合はしたくありません。今すぐには難しいですが、わたしが黙って受け入れる方がいいと思います。どれだけ時間がかかっても、わたしの言葉や行動で、“わたしはそういう人間ではない”ということをお見せしたいです」
チョン・ソニ&アン・ジェファン夫妻は結婚当時、さまざまな話題を振りまき、多くの人々の祝福を受けた。しかし、祝福とともに、不穏なうわさも流れた。
「女性として、嫌なうわさはプライドが傷つきます。でも、わたしが持っていた彼に対する思いは守りたいです。もし真相を解明しようとすれば、その過程でわたしの思い出がズタズタに引き裂かれそうな気がします。一時は彼に対する怒り、執着、未練、愛、全部がありましたが、今思えばそれは愛だったと思います」
チョン・ソニは少しずつ、暗い影から抜け出しているという印象を受けた。
「彼のことを思い出すと、胸が締め付けられるようで切なくなります。今は好きだった感情だけを覚えておこうと思います。いつも考えていると感傷的になり、むなしさが襲ってきます。一番恐いのがむなしさ、すべてが無意味なような状態。これからは前だけを見ていこうと思います。大きな欲よりは、その場を楽しく、笑いながら生きるために努力しています」