「僕は高校生の時、問題児に近かったです」
カン・ドンウォンは何気にそう言いながらにっこり笑ったが、芸能界を代表する「オムチナ(お母さんの友達の息子という意味の韓国語を省略した言葉)」の口から出た言葉なので、かなり新鮮に聞こえた。彼は知る人ぞ知る名門・居昌高出身だ。当時、連合考査(ある地域内の学校で行われる一斉試験)で200点満点中、192点という好成績で居昌高に合格した。
そのことに触れると、カン・ドンウォンは「もともと昌原、馬山地域は教育熱が高い方。入学するとき成績だけは十分でした」と謙遜(けんそん)してみせた。
中学の時はクラスで1、2位を争うほど優秀だったが、高校の初試験で、成績が中位まで落ち、勉強に興味を失ったようだ。勉強の出来る学生だけが集まっていたので、それもそのはずだが、彼にはかなりショックだったのか、その時から学校生活に適応できず、迷い始めたという。
その当時から親友たちとだけ付き合い、人見知りが激しく、内気な性格になった。その性格はモデルとして芸能活動を開始し、俳優になった現在も続いている。
-名門・居昌高を卒業したが、どんな高校生活だったか?
「親友たちと遊ぶのが楽しくて、サッカーが好きでした。皆さんが思っているように、“オムチナ”ではありません。“オムチナ”は勉強が出来る人ですが、僕の場合、初試験で成績がかなり落ちた後、勉強から遠のきました。勉強をしないので、むしろ問題児に近かったと思います(笑)」
-高校でも勉強が出来ていたら、芸能人になっていなかったかもしれない。
「そうかもしれませんね。両親は勉強を続けることを望んでいたので」
-もともと人見知りが激しい性格なのか?
「そうです。以前よりはましになりましたが、一時は本当にひどかった。人とうまく付き合えず、知らない人が僕に話しかけるのも嫌だったことがあります」
-人見知りが激しいというのは、別の見方をすれば防衛本能が働いているせいなのかもしれない。人に傷つけられたことでもあるのか?
「今までそう思ったことはありませんが、そうかもしれない。人に傷つけられたこともあり、一時は人を信じられなかったときもあったので。相手が僕に近づいてくるとき、人間的ではない違う理由で近づいてくると、腹が立ちます。真剣に悩む必要がありそうです」