身を切るような寒風が襟元から吹き込む季節。この日の撮影の主役、チェ・ジウは肩を大胆に出した純白のロングドレス1枚で悪戦苦闘していた。監督のOKサインが出ると、階段に立っていたチェ・ジウは優雅に、そしてゆっくり階段を下りていった。
助監督の合図に合わせ、記者役を務めるエキストラ十数人が押し寄せ、フラッシュを浴びせた。レンズを一つ一つ見つめ、静かにほほ笑むチェ・ジウ。余裕があり、堂々としている。監督がOKサインを出した瞬間、スタイリストが飛んできて、チェ・ジウにコートを掛けた。その時やっと、安堵(あんど)のため息が。「ジウ姫」の透き通るような肌に鳥肌が立っている。現場スタッフが扇風機型の電気ヒーターを持ってきた。ヒーターのそばにうずくまるチェ・ジウは、少女のように、顔をぐっと近づけた。
■チェ・ジウは実用主義、ドレスにスニーカー!?
先月18日、京畿道竜仁市内のB2Yビル。世界的なコスメブランド、資生堂のCM撮影が行われていた。チェ・ジウはこの日、2着のドレスを準備した。純白のロングドレスと、全身黒のミニワンピースだ。1回目の撮影時は白のドレスを、2回目の撮影時は黒のドレスを着た。
3回目の撮影前、スタッフの間で意見が割れた。この日のCM撮影で総指揮を執るリ・ヒョンユン監督は「白はクラシックなイメージで、黒はシックなイメージだが、全体的な空間との調和からすれば黒の方がいいし、衣装そのものは白の方がいいようだ。どちらにしようか、選ぶのが難しい」と言った。
いろいろと悩んだ末、最終的には白のドレスで行くことになった。「資生堂のホワイトニング製品のCMなので、黒よりも白の方がいいだろう」という判断からだ。