カン・ジファン、契約問題に初めて言及「ただ演技がしたかっただけ」


 俳優カン・ジファンが30日、ファンイベント「2010 LIVE 『カン・ジファンのある日、何処かで…』HAPPY NEW YEAR」を東京・渋谷C.C.Lemonホールにて開催した。

 所属事務所だったジャンボ・エンターテインメントと新しい所属事務所エスプラス・エンターテインメントの間で、契約問題の渦中にあるカン・ジファンだが、この場で、初めてこの問題に関して口を開いた。

 日本でも、30日に「日本における唯一の公式ファンクラブ」として「カンスター(KANGSTAR)」(http://www.kangstar.jp/)をオープンさせたが、ジャンボ・エンターテインメントとの契約によりこれまで日本の公式ファンクラブを運営し、契約期間を残しているSo-netとの間で問題が起こっている。

 そんな中、新旧所属事務所、両ファンクラブサイトなどはそれぞれの見解を公表してきたが、カン・ジファン本人はこれまでこの件に一切言及しておらず、この日のイベントで彼が何を語るのか注目されていた。

 イベント前半は、タイトル通り、Mnetのオリジナル番組で、先ごろDVDも発売された『カン・ジファンのある日、何処かで…』の映像やそれに関するクイズなどで進行。そしてイベント後半になり、「問題」について自ら口を開いた。

 「今日のイベントにこれまでのファンの方が来てくださるか心配だった。空港に着いた時も、皆さんが以前のように愛を送ってくださるか不安だった」とし、その場でちゃんと話せないと思い映像を用意した、と語った。その映像は、ひたすら自身の心情を吐露したものだった。

 「ドラマをやることになっていたのに、それにほかの人が決まってもう撮影に入ったと言われた。数カ月間、役作りのために努力していたのに、非常に落ち込んでいる」「ほかにも、いくつか話があったのに、すべてだめになった。10カ月という時間が長かった。これまで、一度もブランクを作ったことはなかった。『映画は映画だ』『7級公務員』をヒットさせたのに…。不安だったというより、何度もだめになってつらかった」。このような言葉を繰り返し、これまでの不満の状況を説明しながら心の内をストレートに吐きだした。

 その後、本人が再登場して、いつになくシリアスなトーンで、直接語り始めた。「僕にできるのはただカメラの前に立つことで、演技したいという思いだけなのに、こじれてしまって」ともどかしい思いを伝え、「今はただ、俳優としてカメラの前に立ちたい。本業に戻りたい」とファンに訴えかけ、理解を求めた。

 また、「メディアで騒がれ、反論したかった。つらかった。それでも耐えていたのは、このような問題は事務所に任せて、自分は俳優なので、カメラの前で真実を見せるべきだと思った」とし、この問題について、メディアにコメントを出す意思がないことも語った。

 そして「ファンの皆さんがいてくれるから、つらくてもこの場に立つことができた。笑うことができた。感謝します」とファンを大切にするカン・ジファンらしい言葉には大きな声援が飛んだ。

 日本のファンクラブの問題にも触れ、「皆さんには申し訳ないが、ホームページが変わった。法的な書類がたまっているが、So-netとは仕事ができない。皆さん混乱したと思うが、事務所が変わったので、皆さん新しい家に入ってください。皆さんに戻ってきてもらいたいので、無料にすることにした」と、新ファンクラブを当面無料とすることを発表。

 その後、「暗い話はここまで。明るい話を今日発表したくて、もどかしかった。実は、映画が決まった。2月末から撮影に入る」と次回作が決まったことをうれしそうに明かした。

 「本当に、どんなに演技がしたかったかを、この映画で発揮したい。すべての演技賞をもらいたい」との意気込みも。本人はそのタイトルを明らかにしなかったが、『7級公務員』の脚本を手掛けたチョン・ソンイル作家の『西部戦線異状なし』であるとみられる。

 最後にはダンス、歌も披露して元気なステージで締めくくる趣向ではあったが、今回は、イベントとしてはいつものカン・ジファンの明るくパワフルなものではなかった。しかし、時折目をうるませながら、ファンだけに直接その心情を告白したことに、ファンは満足すると同時に安堵(あんど)したようだった。

東京=野崎友子通信員

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