「プレママ」ソン・ユナは、「『ウエディングドレス』のような状況は考えただけでもイヤ」と首を横に振った。共感はできるものの、子どもを悲しませる状況自体を悲しく思っている様子だった。ヒロインのゴウンは娘のためにウエディングドレスを手作りする。お姫様が着るような華やかなドレスだ。ソン・ユナは娘のためにドレスを残すということに大きく共感しているそうだ。
「わたしがウエディングドレスのデザイナーなら、実際にそうすると思います。映画のウエディングドレスはおとぎ話的というか、現実とはかけ離れたイメージ。個人的にはシンプルなものが好きですから、映画のものとはかなり違う感じです。この作品のため、実際に裁断作業などを習いました」
女優をしている母親は子どもに何を残すことができるのだろうか。ソン・ユナはずいぶん悩んだが、思い浮かばなかったようだ。「作品では?」と尋ねると、「母親が出ている作品は全部見せなくちゃ」とおどけた。この日のソン・ユナは、作品やプライベートについては明るい笑顔で答えていたが、おなかの中の子どもに関する質問に対しては、真剣に考え込んでいた。それほど、おなかの子どもへの秘めたる愛が感じられた。
ソン・ユナは映画で娘役を演じたキム・ヒャンギに賛辞を送った。普通の子役はまったく同じトーンで、丸暗記したような演技をするが、キム・ヒャンギはそうではなかったという。
「ヒャンギちゃんに感心したのは、台本を一度読んだらすぐ覚えて、感情まで上手に表現するところ。休み時間には詩を書いていました。本当に才能豊か。
大人でも表現できないことが表現できるんです」