新年早々、時代劇ブームが巻き起こっている。昨年お茶の間を席巻したドラマ『善徳女王』のミシル(コ・ヒョンジョン)の後を引き継ぎ、誰が「時代劇クイーン」に躍り出るのか、気になるところだ。
現在、そのトップバッターとして登場したのは、『推奴(チュノ)』(KBS第2)のイ・ダヘだ。
同ドラマは第1話から視聴率20%を軽く超え、最高の話題作として浮上。映画のような映像美や出演者たちの見事な演技、早いストーリー展開などで、すでに視聴者の心をつかむのに成功した。
イ・ダヘは初めての時代劇出演にもかかわらず、安定した演技力と美しく上品なルックスで、男性視聴者の胸をときめかせている。ただし、『推奴』はチャン・ヒョク、オ・ジホなど男性キャラクターを中心に物語が展開する予定のため、イ・ダヘには不利かもしれない。それでもほかのライバルに比べ、時代劇クイーンへの足掛かりは整っている。
ハン・ヘジンも手強い相手だ。開花期を背景にした『済衆院』(SBS)に出演中のハン・ヘジンは、すでに国民的時代劇『朱蒙』(MBC)でソソノ(召西奴)役を演じ、時代劇クイーンとなった経験がある。その上『済衆院』でも、情熱や野望を抱く貿易商人の娘ソクランが、人気キャラクターだったソソノと共通点が多く、追い風となっている。
また、ハン・ヘジンには長いドラマや時代劇に強いという長所もある。しかし一般的に、視聴者たちが開花期を背景にした時代劇より、伝統的な時代劇を好むという点が弱みだ。
KBS特有の安定感と重厚さを見せている時代劇『名家』(KBS第2)のハン・ゴウンも、ポスト・ミシルとして遜色(そんしょく)がない。ハン・ゴウンは慶州チェ氏一家の土台を築いたチェ・グクソン(チャ・インピョ)の良きパートナーとして、ミシルのように男性たちも支配する強いカリスマ性を発揮する。没落した名家の娘ハンダン役を演じるハン・ゴウンは、華やかな韓服を身にまとい、久しぶりにその美ぼうを十分に発揮する。すでに時代劇『張吉山』などで、西欧的な顔立ちやボディーながらも韓服をうまく着こなし、注目された実績がある。
「時代劇の名匠」イ・ビョンフン監督が演出する『同伊(トンイ)』(MBC)に出演するというだけで、成功を約束されたも同然のハン・ヒョジュも、強力な候補の一人。イ監督はこれまで、『ホジュン~宮廷医官への道~』『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』でファン・スジョン、イ・ヨンエ、ハン・ジミンら時代劇クイーンを毎回輩出してきた。また、ハン・ヒョジュが演じる淑嬪崔氏役は、実際に掌楽院(朝鮮時代、宮中の音楽や舞踊を担当した官庁)の奚琴(ヘグム・中国の胡弓に似た韓国の伝統弦楽器)演奏者出身のため、これまで医術、料理、美術で視聴者のハートをキャッチしたように、音楽で五感を刺激するものと予想される。
ハン・ヒョジュはピアノ、バイオリン演奏が趣味というほど音楽好きのため、今回の作品でハン・ヒョジュの魅力が100%発揮されるものとみられる。その上、ハン・ヒョジュは前作『イルジメ〔一枝梅〕』(SBS)で時代劇を経験しており、大ヒットした『華麗なる遺産』(SBS)に次ぐ新作ということで、ファンの大きな関心を集めている。
『明成皇后』で時代劇クイーンの座に君臨したイ・ミヨンも、強力な候補だ。3月に放送予定の『巨商・金万徳』(KBS第1)で、金万徳(キム・マンドク)役を演じるイ・ミヨンは、ほかの候補者たちに比べ、経験や演技力、認知度などでリードしている。また、3年ぶりのドラマ出演で、時代劇は9年ぶりということから、大きな注目を集めている。金万徳のキャラクターも、ミシル顔負けの女性で、イ・ミヨンもコ・ヒョンジョンに劣らぬカリスマ性を発揮できる女優ということで、関心が高いのも当然だ。
イ・ミヨンは1月6日、初の台本読み合わせに突然姿を見せ、周囲を驚かせた。「子ども時代の万徳」中心に行われたため、あえて参加する必要はなかったが、「子役たちと一緒に練習してこそ、万徳に同化することができる」という気持ちで参加したという。作品に懸けるイ・ミヨンの意気込みが感じられるエピソードだ。
そのほか、ケーブルテレビの時代劇『朝鮮推理活劇チョン・ヤギョン』(OCN)のイ・ヨンウンも旋風を巻き起こし、時代劇クイーンの座を狙っている。劇中、茶母(タモ、本来は両班家の雑用係だが、情報収集などもした女性)ソルラン役として、アクションだけでなく、見事な演技で視聴者から好評を得ている。特に推理時代劇のため、既存の時代劇とは違い、マニアファンを獲得している。