「女心」を読めば視聴率はアップする。
小売り各社が女性に財布のひもをほどかせるため、知恵を絞るのも同じこと。今や世界を動かすのは女性という時代だ。
今年のドラマは「女心」の向く先で明暗が分かれた。女性視聴者をメーンターゲットにしたドラマは、視聴率ランキング上位に入った。10代から50代まで広い層の韓国人女性がハマった『花より男子~Boys Over Flowers』から、主婦の共感を引き出してヒットした『内助の女王』、刺激的なストーリー展開と泥沼の復讐(ふくしゅう)を描いた『妻の誘惑』、勧善懲悪が痛快な『華麗なる遺産』、『花より男子』をパワーアップしたような『美男〈イケメン〉ですね』まで。男性視聴者向けと思われていた時代劇やスパイ物でも、女心をつかんだ『善徳女王』『アイリス』が大ヒットした。
2010年のドラマも、ヒットするかどうかは女性次第だ。
来年1月4日に一斉にスタートする各局の月火ドラマを見てみよう。各局とも「ポスト善徳女王」を狙った野心作が多い。
MBCのミニシリーズドラマ『パスタ』は『宮廷女官チャングムの誓い』『私の名前はキム・サムスン』を引き継ぐ料理ドラマ。イタリアンレストランを舞台にした料理人たちの物語だ。イ・ソンギュンとClazziquai(クラジクワイ)のアレックスが「ゲストロセクシャル」(「料理する男はセクシーだ」という意味の新造語)の真骨頂を見せる。
イ・ソンギュンはソフトなイメージでしょうゆのCMに登場、アレックスはリアリティー番組で「歌って料理できる男」であることを証明、「韓国人男性の敵」になった。
KBSは『勉強の神』で応戦する。日本の人気漫画『ドラゴン桜』のドラマ化で、「国民の弟」ユ・スンホが出演。スタート前から早くも超豪華若手俳優5人組「コンシンドル」(韓国語で「『勉強の神』のアイドル」の略)に熱い関心が寄せられている。この5人組はユ・スンホ、コ・アソン、イ・ヒョヌ、イ・チャンホ、チ・ヨンで、「底辺校」ピョンムン高校に通っているという設定。ゆがめられた受験戦争に苦しむ母親と、受験間近の10代たちが一緒に楽しめるかどうかがカギだ。
SBSは医療物の時代劇『済衆院』で、『善徳女王』の視聴層をゲットしようという作戦だ。ハン・ヘジン、パク・ヨンウ、ヨン・ジョンフンら主演級の出演者だけでなく、ヒットドラマ『白い巨塔』の脚本家イ・ギウォンが参加、期待を集めている。
『アイリス』終了を首を長くしてまっていたSBSの水木ドラマ『クリスマスに雪が降るかしら?』も、女心を刺激する材料がそろっている。「元祖イケメン俳優」コ・スとハン・イェスルが恋に落ちる典型的なラブストーリーだ。
MBCの新水木ドラマ『まだ結婚したい女シーズン2』も女性のためのドラマだ。パク・ジニ、ワン・ビンナ、オム・ジウォンが30代のゴールドミス(高学歴で経済的な余裕のある独身女性)3人組を演じ、婚活のドタバタを描く。これに『花男』キム・ボムとイ・ピルモが加わるラブ・コメディーだ。