映画評論家が選ぶ「大ゴケの傑作&ヒットした駄作」(下)

観客が集まった最悪の映画


 悪評は制作した側の気に触るが、同意する読者には快感を与えてくれる。評論家は記名の悪評を避ける場合もあるが、鋭い批評もかなり出た。

 『女子高怪談5-道連れ自殺』の興業成績は65万人と少なめだったが、「50万人」という基準と評論家5人の投票により、「観客が集まった最悪の映画」にランクインした。「お粗末で退屈きわまりない、はじかれ者シリーズ」(チャン・ビョンウォン)、「あまりにも安易に作られたフランチャイズ映画」(ファン・ヒヨン)と手厳しい。

 2位は、各4票だった韓国映画3本と米国映画1本。214万人が見た『私の愛、私のそばに』を駄作と感じた評論家は「韓国映画史の記念碑的加虐・被虐的映画」(チョン・チャンイル)、「想像力の枯渇」(キム・ヨンジン)と言っている。

 『炎のように蝶(ちょう)のように』には「炎はかすかで、蝶の羽ばたきは重く鈍い」(チェ・グァンヒ)、『遺憾な都市』は「遺憾な正月用映画」(イ・サンヨン)と評された。743万人を動員したハリウッド大作『トランスフォーマー:リベンジ』は、「変身合体ロボット・スポーツカー・レースクイーンが好きな男性のためのロマン3点セット」(チェ・グァンヒ)と酷評する声もあった。

 バンパイア物とハイティーンのラブストーリーをミックスし人気を呼んだ『ニュームーン/トワイライト・サーガ』は、「デートで仕方なく見に行った男性を拷問するための女性向けファンタジー」(カン・ユジョン)、『ニンジャ・アサシン』は「ワールドスターRain(ピ)が海外派兵されたような印象」(オ・ドンジン)、「友達が辱められているときに感じる、妙な屈辱感を感じる」(カン・ユジョン)などという理由で、それぞれ3票入った。

 このほかにも、「ローランド・エメリッヒ監督は最後まで地球をたたき壊すだけだろう」(『2012』、キム・ヨンジン)、「愛国心マーケティングで一貫した愛国ドラマ(『国家代表』、チョン・ジウク)、「こんな1980年代のメロドラマでは韓国のファンの気持ちもキャッチできない」(『悲しみよりもっと悲しい物語』、ファン・ヒヨン)という評価が2票ずつあった。

 1票ずつ入った映画については、評論家の趣向が強く働いているようだ。今年最大のヒット作『海雲台』は「策略が丸見えの世代別お涙ちょうだい作戦」(チェ・グァンヒ)、釜山映画祭オープニング作『グッドモーニング・プレジデント』は「鋭い風刺やチクリと刺すようなユーモアがないチャン・ジン監督のコメディーはつまらない」(チャン・ビョンウォン)と評された。

■アンケートに回答した評論家:カン・ユジョン、キム・ヨンジン、オ・ドンジン、イ・ドンジン、イ・サンヨン、チャン・ビョンウォン、チョン・チャンイル、チョン・ジウク、チェ・グァンヒ、ファン・ヒヨン(ハングル順、文中敬称略)

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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