25日に行われた「ヨン・ジョンフン『エデンの東』スペシャルファンミーティング」のため来日したヨン・ジョンフン。数々の苦難に見舞われる『エデンの東』のドンチョル(ソン・スンホン)の弟ドンウクのイメージは、あまりにも強烈に、鮮明に刻まれている。
その思いのまま、インタビューの時を迎えたが、ヨン・ジョンフンは、ドンウクとは似ても似つかない、スマートですがすがしい空気とともに現れた。
―久々のドラマで、長編大作『エデンの東』のドンウク役を演じるのに苦労・悩みは多かったのではないでしょうか。
「本当に今回は苦労する点がたくさんありました。まず夏に、分厚い冬の服を着なくてはいけないということもありましたし、長い持久力を必要とするドラマで、感情のラインをどの部分まで、どういうふうに表現したらいいのか、いろんな計算も必要とされるものでしたので、複雑に入り組んだ作品でした。それに劇中かなり殴られました。それもすごくつらかったですね(笑)」
―最初は虐待されたりで苦労し、後半は出生の秘密から苦悩することになり、苦しい演技が多かったわけですが、どのあたりが特に大変でしたか。
「感情の部分では、出生の秘密がわかっていろいろと苦労するあたりも大変ではありましたが、このドラマは長い呼吸を必要とされるものでしたので、感情どおりにしっかり追っていけば、その気持ちになれました。前半の部分でいうと、拷問されるシーンも大変でした」
―ドラマに入る前に、役作りで体重を10キロほど落とされたそうですね。
「そうです。ドンウクが太っていて拷問されても、あまりかわいそうに見えないと思いましたし(笑)」
―どうやってダイエットされたのでしょうか。楽に体重を落とせるほうですか。
「すごく大変でしたよ。軍隊の最後の方は、太ってしまうものなんですが、僕も以前より太っていましたので大変でした。ピラティスと食事制限でやせました。運動は大変ではありませんでしたが、食事は、野菜と卵ばかりを食べて1カ月くらい過ごしたので、苦しかったですね。お酒も一切口にしなかったので、それが一番つらかったです(笑)」
―撮影期間中はオフでもずっと役にのめり込んでしまう俳優さんも多いようですが、カメラ前とオフとで切り替えられるほうでしょうか。
「僕は、きちんと切り替えるんです。カメラの前に立っていない時には、普段の自分の姿に戻ろうとしています。俳優さんによっては感情移入をしてしまって、すっかりそれにはまって、なかなか役から抜けきれないという方もいますが、自分は次のシーン撮るためにも、できるだけそこで切り替えてしまおうと思うんです。撮影している時はしっかり入ってやって、それ以外の時には気持ちを切り替えて、また撮影になったら役にのめり込むというふうにしています」
―ではドラマの撮影がすべて終わり、ドンウクをずっと引きずることはなかったのでしょうか。
「はい、もう次の日には忘れていました(笑)」
東京=野崎友子通信員