寒~い冬にアツアツをおでん


 冬はやはり旅行に向いている季節ではない。寒くなれば歩みもおのずと速まり、ゆっくりと見て回るべきものも逃してしまいがちだ。身を切るような冬の冷たい風が吹きすさぶ街を歩いているとき、もし屋台が目に入ったら、ひとまず入ってみよう。冷え切った体を一気に温めてくれる湯気が立ち上っている。そう、アツアツのおでんとおでんつゆがあなたを待っているはずだから。
 おでんはご存じの通り、日本の食べ物だ。しかし、韓国の通りに立ち並ぶ屋台のおでんは、少しイメージが違う。韓国のおでんの一番の魅力は、何と言っても手ごろな値段。ひと串(くし)500ウォン、そのうえつゆはいくら飲んでもタダ。種類はたいてい二つ。長方形の薄く平たいさつま揚げをアコーディオン状に串に刺したものと、丸い棒状のおでんを串に刺したもので、お好みのほうを選べる。最近はいろいろな食材が入った独特なさつま揚げが登場、形も値段も多様化しているが、それでも屋台のおでんはほとんど変わらず、「お財布に優しい値段」で、この2種類を売っている。プリプリのおでん自体もおいしいが、紙コップに入れてもらう、ほんのり甘くスッキリした味のおでんつゆは、絶対に外せない。このつゆは家で作るおでんとは味が全く違い、韓国人でもその味の秘訣(ひけつ)が気がかりなほど。いろいろな推測が飛び交うばかりで、屋台ごとに違うのだが、例えばだし用の大根に昆布、まれにワタリガニなど、さまざまな材料が使われている。
 屋台の食べ物が特に多い韓国で、おでんはトッポッキ(もちのトウガラシみそいため)、スンデ(豚の血の腸詰め)、天ぷらなどとともに、長い間愛されてきたメニューだ。ひとたび屋台に寄れば、おでんを食べなくても紙コップにおでんつゆを入れてくれる。これは屋台ならではの良心的なサービス。この冬、韓国旅行でほっこり温まりたいなら、おでんがオススメ。衛生面が気になる方は、屋台ではなくお店でおでんを食べるのもOK。


屋台のおでんの食べ方

❶ 屋台に入ったら、店主が差し出すおでんつゆをもらう。もし出してくれなくても、近くに紙コップがあるので、これを取って自分でおたまですくって飲む。もちろんおかわりOK。
❷ しょうゆ皿にたれを入れる。
❸ お好きなおでんを選び、串を持ってたれにつけて食べる。好きなだけ取って食べ、串は置いておく。
❹ 食べ終わったら店主が串を数え、おでん代を計算してくれる。

記事=イ・ヒョンジュ, 写真=キム・ソナ

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