『母なる証明』ポン・ジュノ監督、キム・ヘジャ、ウォンビンが舞台あいさつ


 27日午後7時15分、ポン・ジュノ監督の最新映画『母なる証明』の舞台あいさつ付きプレミア上映会が東京・新宿バルト9にて行われ、ポン監督と、主演のキム・ヘジャ、ウォンビンが登壇した。

 ウォンビンが公式に日本を訪れたのは5年ぶり。また、キム・ヘジャは、初めての公式訪日だ。そのため、この日のチケットは発売開始2分で売り切れたほど、話題となっていた。

 ポン監督はこの映画を製作したことについて「キム・ヘジャさんと映画を撮りたかった。そのためにはどうすればいいかと考えた。そしてお母さんが狂気の暴走をする、という話を考えた。その相手にはウォンビンしかいないと思った。監督としては、このように素晴らしい二人の俳優と仕事ができて光栄」と語った。


 撮影中は、キム・ヘジャとウォンビンは、撮影の合間でも、互いを「トジン」「オンマ(お母さん)」と呼び合うなど、信頼関係を築いていたという。

 そんな本当の親子のようだった二人を司会者が「二人はどことなく似ていますね」と言うと、ポン監督は「キャスティングの直後に二人の写真を撮ったが、目がとても似ていた。日本の漫画を見ると、よく目に星がいくつも輝いているが、二人共にそのようなものがあった」と二人の共通の「目力」を評した。

 キム・ヘジャは、この作品出演について「わたしが大好きな監督が、わたしと映画を撮りたいといってくださったことがうれしかった。撮影時は、ある時はわたしを女優としてさんたんたる気持ちにさせたり、ある時はとてもよかったとメールをくださったり。うれしいこともつらいこともあったが、終えてみると今はただ満足感が残っている」と語った。


 ウォンビンは、「今回は、ポン監督とキム・ヘジャ先生と同じ作品に出演できたこと自体が光栄。自分には久々の作品だったが、楽しい思い出がたくさんできた」と述べた。

 最後にポン監督は、「韓国の俳優や映画を愛してくださって感謝します。長く記憶に残る作品になってほしい」とし、「映画について自慢したいことはたくさんあるが、何より俳優の演技について言いたい。ご存知大女優のキム・ヘジャさんと、それに負けることのない驚くべき演技を見せてくれたウォンビンさん。アイドルではなく、完全に演技派として変身を遂げたウォンビンさんの演技を見ることができてうれしく思う」と語ると、会場を埋めたウォンビンファンからより大きな拍手が沸き起こった。

 また、舞台あいさつにはゲストとして、ポン監督の作品『TOKYO!』の「Shaking Tokyo」に出演し、ポン監督の大ファンだという俳優の香川照之と、韓流ファンとしても知られる内閣総理大臣夫人の鳩山幸さんも登場し、花束贈呈を行った。


 香川は「2007年に(『TOKYO!』 の)撮影している時に、次の作品は母と子の物語で今脚本を考えている、と言っていた。『殺人の追憶』という映画が一番好きなのだが、それを超えた映画」とし、鳩山幸さんは「すごく考える、重い、しかし母親はやっぱりそうなんだなと思える映画」と語り、観客は映画への期待感を高めた。

 『母なる証明』(配給:ビターズ・エンド)は31日より、シネマライズ、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国ロードショー。

東京=野崎友子通信員

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