韓国人の食卓韓国料理(下)

韓国料理を楽しむ二つの方法

韓定食VS 家庭料理

 韓国に行ったなら1度は味わってみたい韓定食。だが韓国の一般的な家庭料理も味わってみたい。この二つを味わってこそ韓国料理を実感できるといえるだろう。



ワインと合うフュージョン韓定食 楼

 楼は、かわいい店や雰囲気のいいカフェ、しゃれたレストランが多いことで有名な三清洞にある。同店は韓定食に関する固定観念を打ち砕いた。ほとんどの韓定食は宮廷料理をベースにしており、食器やインテリアなども伝統的だ。一方ルーは、入口にワインのビンが置いてあるなど、本当に韓定食の店なのかと疑われるほど。しかし「楼」は宮廷や伝統家屋の高い建物からきている。
 楼のウェルビーイング・ランチ特選には1万ウォン(約760円)、1万5000ウォン(約1100円)、2万2000ウォン(約1700円)の3コースがある。黒豆のソースがかかった生ポテト・黒豆のクッス(韓国式うどん)は全コース共通のアペタイザー。生ポテトをクッスのようにスライスし、黒豆のソースに付けて食べる。生ポテトと香ばしくて柔らかい黒豆が妙にマッチしている。続いてクラゲの前菜、ブロッコリーサラダなどを食べればメインディッシュ。韓定食のメインディッシュは主に肉類だが、楼のメインディッシュは豚の焼き肉やメクチョク(肉のあぶり焼き)、チョゲタン、ノビアニ(肉の漬け込み焼き)などがある。同店のお勧めはメクチョク。ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』に登場したおかげで人気とのこと。その後に緑豆のチョン(チジミ)が出て、最後はごはんとテンジャンチゲ。口直しは梅のジュースだ。楼の料理は化学調味料を全く使っていないため淡白なのが特徴だ。季節ごとにメニューが変わり、料理に合うワインもある。ディナーは4コースあり、料金は2万8000ウォン-6万ウォン(約2100-4500円)。



■開館案内

*アクセス: 地下鉄安国駅下車。2番出口を出て2番のマウルバスに乗り、監査院前で下車。監査院三叉路方面へ徒歩10分、教育課程評価院の路地内。

*住所: ソウル市鍾路区三清洞25-7

*営業時間: 昼11時30分-15時、夜17時30分-22時

*Tel: 82-2-739-6771

韓定食とは

 定義は、簡単に説明すれば韓国料理のフルコースといえる。西洋料理の場合、アペタイザー、メインディッシュ、デザートに分かれるが、韓定食も同じように一定の順序に従って料理が差し出される。つまりごはんとおかずが一度に差し出されるのが家庭料理で、コース化されたものが韓定食だ。韓定食店のメニューはほとんどがコースにより名前が付けられている。差し出される順序は、冷たい前菜のあとに肉類や魚類のメインディッシュが差し出され、その後にチョンや蒸し物、刺身が出て、最後にごはんとチゲが出る。デザートはお茶と餅などだ。

気軽に韓定食が味わえる場所 ケファオク

 開花屋はコース化されておらず、料理を選ぶことが可能な鴨鴎亭洞で有名な韓定食店だ。メニューはメイン料理、一品料理、コース料理に分かれている。コースにより自分の好きな料理を注文することができる。同店の特徴は真鍮の器に入ったさつまいもとトウモロコシ、焼にんにく。分厚い肉が絶品のポッサムと霜降り牛と野菜の和えもの、キムチマリクッス(キムチ冷麦)がお勧めだ。価格は2万-4万ウォン(約1500-3000円)。

■開館案内

*アクセス: 地下鉄3号線押鴎亭駅下車。2番出口からギャラリアデパート向かい側のマクドナルド前の右側の狭い路地に入って1つ目の角を左折。

*住所: ソウル市江南区新沙洞661-18

*Tel: 82-2-549-1459

*ホームページ: www.gaewhaok.com


みそが絶品の家庭料理クンドゥンイネ

 韓国人が普段何を食べているかを知りたければクンドゥンイネに行けばよい。パスタやステーキ店が多い押鴎亭で、「家庭料理」で約20年間愛されてきたのが同店だ。同店の代表メニューはテンジャンチゲ(みそチゲ)。入口で「みそ名家」とうたっているだけあって、みそに関してかなりの自信を持っている。韓定食とは異なり、メニューには料理名がずらりと並んでいる。海鮮テンジャンチゲ、牛肉テンジャンチゲ、混ぜテンジャンチゲなどやはりみそを使った料理が多い。
 注文の仕方は簡単だ。メニューにあるものを注文すると、ごはんとおかずが付いてくる。たとえば海鮮テンジャンチゲを注文すると、ごはんといくつかのおかずが付いてくる。もちろんキムチも付いてくる。同店のおかずは玉子蒸しといりこ炒め、大根の葉のみそ和え、さばのムグンジ(6カ月以上熟成させたキムチ)煮、はんぺんの煮付けなど、一般の韓国家庭の食卓そのままだ。もちろん家でこれほどおいしいテンジャンチゲを食べることができないが。テンジャンチゲは、いりこと大根、ねぎ、玉ねぎでだしをとっているため香ばしくて深みがある。特に大根の葉の和え物は絶品だ。みそは本場の全羅南道康津のものを使っている。ほか、キムチ・トゥッペギ(鍋)、プルコギ・トゥッペギ、肉炒めなどが代表的なメニュー。周知通りみそが体にいいということだから、どうせなら「みそ」が入った料理を注文したいところだ。すこし変わった味に挑戦したければ、みそとチシャの葉、ニラ、春菊などを入れ混ぜて食べるクンドゥンイネ・カンジャンをお勧めしたい。

■開館案内

*アクセス: 江南区鶴洞交差点から押鴎亭洞ロデオ通りの看板が見える裏門に入り、ミスタードーナッツの路地を左に入る。

*所在地: ソウル市江南区新沙洞657-29

*営業時間: 11時-23時

*TEL: 82-2-518-5410


韓国の家庭料理は

 通常韓国の家庭ではごはんと汁、チゲを基本にいくつかのおかずを食べる。汁とチゲは現代に至っては二つのうちいずれかが用意されるのが普通だ。おかずは、食事のたびに作られることもあるが、「ミッパンチャン」と呼ばれる作り置きのおかずを食べることが多い。牛肉のしょうゆの煮つけやいりこ炒めが代表的なミッパンチャン。共稼ぎ家庭が多い最近では大型スーパーでミッパンチャン買って食べるケースも多い。これと共にキムチやチャンアチ(えごまの葉のしょうゆ漬け).もよく食卓にのぼる。プルコギや肉炒め、焼き魚の定食を韓国では「○○白飯(ぺッパン)」と呼ばれる。


テンジャンチゲVSみそ汁

 テンジャンチゲとみそ汁の最大の違いは具だ。テンジャンチゲは豆腐、きのこ、ズッキーニなど種類が多いが、みそ汁は豆腐やわかめなど少ない。またテンジャンチゲはだしに牛肉やいりこ、こんぶなどを使うが、みそ汁はこんぶとかつおぶしを使う。またみその製造方法が異なることからテンジャンチゲのほうがみそ汁に比べ味が濃くて深みがある。そして何よりも大きな違いは、テンジャンチゲはさじで飲み、みそ汁は器に口を付けて飲むということだ。

記事=イ・ヒョンジュ, 写真=チン グ

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