キム・ヘス。彼女は読書好きで有名だ。本をたくさん読む理由について、キム・ヘスは「満たされない何かがあるから」と答えた。
「姉は優等生というか、おとなしい性格で、その上本が好きでした。小さいころは姉のように本をよく読むほうではなかったのですが、女優になってからはプライベートな時間がなくて、ますます何かに追われているような気持ちになりました。そのころから、意識的に本を読み始めました。大学生になってからですね。コーヒーをドリップして、ポットにいっぱい入れておいて、一日中、何十冊も読む日もあります。小さいころ読んだはずだけど、振り返ってみるときちんと読んでいないような古典とか、たくさんあるじゃないですか。そういう本を最初から読み直したり。20代半ばから、『あなたはとても理性的というか、何か理屈っぽく解釈して演技しているのが一番の欠点』と言われたことがありますが、そのときは本当にそうなのかと悩みました。でも、今は心配していません。こうして本を読むうちに積もり積もっていくものは、やはりいい影響を与えてくれますから」
最近は、インターネットの書籍サイト「アラジン」などで本を一度に数十冊注文したことも。本を読むだけでなく、自ら二度短編小説を書いたこともある。
「ある日の夜、本を読んでいたのですが、突然怖くなってきて。普段は何気なく接していたものが、急に見ることもできないくらい怖くなることってありませんか。そのとき、『あ、今この気持ちは短編小説にしなくちゃ』って思ったんです(笑)。それですぐに座って、1作品書き上げました。それがわたしの2作目の小説です」
キム・ヘスは長い間、世間の関心の中で生きてきた女優だ。それだけに、長い間マスコミに苦しめられてきたのも事実。キム・ヘスは「こういうことがもう少し早く分かっていたら、女優なんて絶対にしなかったでしょう」と語った。
「昔は本当によく悩んだり苦しんだりしました。2000年代初めにマネージャーが記事のスクラップを見せてくれたのですが、どれも同じように『セクシー』とか『グラマー』とか、そういう修飾語ばかり。こんなに軽薄にしか自分をアピールできないのかと…。わたしが言ったことをそのまま書いてくれればいいのに、どうして言ってもいないことを引用のカッコまで付けて書くのかしら…。そんなふうに考えていたので、いらいらすることも多かったんです。今はもう慣れました。そういう記事を見ても大丈夫です」
古い街並みが残るソウル市鍾路区三清洞で、おいたちの近くに住んでいるキム・ヘス。最近一番幸せだったのはどんなときか、聞いてみた。
「おいたちに会うときですね。どうしてあんなにかわいいのかしら。撮影のときも、おいたちが『ヘスおばさん、頑張って!』という動画を撮って送ってくれたりすると、本当に元気がわいてきます。あんなに幼くて、純粋な子どもたちを見ると、そのたびに胸がドキドキ、ワクワクします。将来どんな人になるのか、全く分からない未知の世界。可能性を感じるし、子どもたちに会うたびに、ものすごいエネルギーをもらっています。
子どもというのは、それだけで本当に素晴らしい存在だと思います」