ホン・サンス監督の映画『アバンチュールはパリで』が17日より日本公開


 第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され絶賛を浴びるなど、ヨーロッパで絶大な支持を受け“韓国のゴダール”、“エリック・ロメールの従弟”と評される韓国映画界きっての奇才、ホン・サンスの話題作『アバンチュールはパリで』(原題:『夜と昼』)がついに日本公開される。

 主人公のソンナムを演じるのは、劇団出身の個性派俳優キム・ヨンホ。183cmの長身とがっしりとした体つきを活かしたサスペンス・アクション映画『ユリョン』『SSU』や歴史ドラマ『薯童謠(ソドンヨ)』などのワイルドな役が多かったが、本作では恋に突っ走る男を演じ、軽妙な味わい豊かな演技が高い評価を受けた。

 ソンナムが一目で恋に落ちるユジョン役を演じるのはパク・ウネ。ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』のイ・ヨンセン役で一躍韓流スターとして浮上、現在NHKBS2で放送中の『イ・サン』ではイ・サンの正室ビングン役を務めるなどキュートな人気女優だ。

 パク・ウネはかねてからホン・サンス監督作品の大ファンで、これまで『浜辺の女』など監督作に3度のオーディションを受け、4度目にしてようやくヒロイン役を射止めた。しかし、本作製作中に資金調達が難航し、それを知ったパク・ウネはノーギャラでの出演を申し出、キム・ヨンホらほかのキャストもギャラを減らし製作費の節約に協力したという。


 また、ドラマ『白い巨塔』や『コーヒープリンス1号店』でブレークしたイ・ソンギュンが、留学生の青年を演じ、短い出演シーンながら強烈な印象を残しているほか、ドラマ『ホジュン 宮廷医官への道』で人気を博し、長いブランクの後ドラマ『ヴィクティム・オブ・ラブ 塩人形』で復帰したファン・スジョンが、ソンナムの妻役に扮し映画復帰したのも話題となった。

 ドラッグ疑惑を受けたため韓国に妻を残し、一人フランスに逃げた画家ソンナム。昼はパリ在住の韓国人女性ユジョンの気を惹こうと必死になり、夜はソウルで待つ妻に国際電話をかけて弱音を吐き「さびしい」とつぶやく。一方で、画家志望のユジョンもまた、気まぐれにウソを並べたて、ソンナムを翻弄する…。

 “昼と夜”の男の二面性と、“ウソと本音”で男を翻弄する女の多面性を、恋愛の魔術師ホン・サンス監督がお得意のエスプリをたっぷり効かせて描いたラブロマンス『アバンチュールはパリで』は10月17日、シネカノン有楽町2丁目ほか全国順次公開。

東京=野崎友子通信員

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