インタビュー:『アイリス』キム・ソヨン、意気込み語る


 女優にとって太るということは、最も恐ろしい問題の一つ。しかしキム・ソヨンは余裕があり、楽しんでさえいる。もちろんここで“太った”ということも、一般的な基準で見ると、平均値より若干ぽっちゃりした程度。作品のため、体重を増やすということは、いまだに韓国の女優にとって簡単な選択ではないからだ。

 14日に放送を控えるドラマ『アイリス』(KBS第2)。北朝鮮特殊工作員役としてドラマに復帰するキム・ソヨンは、強靭な特殊スパイ役を演じるため、体重はもちろん筋肉も付け、生まれて初めてロングヘアをバッサリ切った。

 「ロングヘアがとても好きなので、以前だったら“髪を切るのは絶対ダメ”と意地を張ったと思います。でも今回は台本を見て、わたしから先に“この役は当然、ショートヘアにしなくちゃ”と。制作スタッフがウイッグも準備してくださったのですが、しっくりこなかったんです(笑)」。

 今年2月に『アイリス』にキャスティングされた後、特別なアクション訓練にも欠かさず参加した。

 「台本をもらってすぐにアクションスクールに通いました。訓練生たちと同じ教育を受けたんですが、わたしを女性と見てくれないんです(笑)。運動場を10周走る際、最初は3周で座り込んでいたんですが、今はだいぶ体力が付きました。時々アクションシーン撮影のとき、楽しんでいる自分を見て、驚いたりもします。短くなった髪の毛がなびくシーンでは、自分で見ても“いい感じ”だと思うこともあるんですよ(笑)」。

 もともと運動はあまり得意ではなかったキム・ソヨン。


 「実は『アイリス』の撮影をする前まで、トレーニングウェア、運動靴を一つも持っていなかったぐらいでした。母親が“あんたみたいに運動しない俳優はいないだろう”と言っていたほどでした。それで芸能人たちが山登りで体力管理をするという話を聞き、ホン・ウニさんと清渓山に登ったんですが、とても大変で家に帰って来てから点滴を打ちました。ウニは、ムササビのように山を登っていましたが…(笑)。わたしはまさに“虚弱”でした」。

 しかし、“必ずやってみたい”という演技に対する情熱は、キム・ソヨンを違う世界に導いた。

 「1日も欠かすことなく、スポーツジムに行って運動に励みました。ビタミン剤まで飲みながら運動したのは初めて。後でトレーナーが“女優なのに、腕の筋肉が元に戻らなかったらどうするの?”と心配してましたが、気にしませんでした。自分の人生でたかが1年なんだから、それぐらい投資できるだろうと思いました」。

 こうして始まった運動は、女優ではなく、ひとりの人間キム・ソヨンの生き方を変えるきっかけになった。

「憂うつな日もひとまず運動を始めれば、気分が良くなる快感を経験し、運動の魅力にハマるようになりました。やせているので、ドレスを着るときはいつもピンが必要でしたが、筋肉がついたので、衣装もはるかに引き立つようで…。作品も作品ですが、主にインドア派だったわたしがポジティブな人間になったのが大きな成果のようです」。

 体作りを通じて得た自信。今後新たな挑戦も怖くない。

 「役を選択し、演技をする際、開かれた心になった自分を感じます。女優として当然見るべき部分に今やっと気付けたんです。時々、男性俳優を見ながら作品のために20-30キロ太ったりやせたりする方たちを見ると、すごいなと。カリスマ性を発揮している女優を探すのは大変でしたが、少しずつ努力しなければならないと思うようになりました」。

 演技のための地道な努力。新たな自信を得たキム・ソヨンの今後に期待大だ。

チャン・ソユン記者
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