巧妙化する「ノイズ・マーケティング」(下)

■事務所変わると熱愛説?

 熱愛・交際説が起きる時期も巧妙だ。普通はドラマ出演直前、映画公開直前、アルバムリリース直前、または所属事務所が変わる直後に熱愛説が流れる。最近で言えば、事務所を移籍した直後、映画の公開を控えていた女優ナム・サンミが「金融関係者と熱愛中」といううわさを否定した。新ドラマ『タムナ~love the island』の主人公二人、ソヌとイム・ジュファンは放送開始直前に熱愛説が流れ、「ノイズ・マーケティングではないか」と疑われた。

■騒動なければわざわざ作る

 あえて騒動のタネを作り、「アンチ」をかき集めようという動きも増えている。新人タレントのユン・チョイは、わざわざ付けた芸名を使わず、本名の「キム・テヒ」で熱愛説を否定するプレスリリースを配布し非難を浴びた。ある二人組女性グループは、アルバムを発売した際、プレスリリースで「レズビアンといううわさが流れているが、事実無根」とわざわざPRしたほど。「関心を集めるためなら陰口をたたかれてもいい」「ネットで無反応なくらいなら、悪質な書き込みをされる方がいい」という芸能界の一端をかいま見せてくれる。

 さらに大きな問題は、このようにタレントたちがひねり出した「根も葉もない騒動」をかき集め、プレスリリースを一字一句変えずに報道する一部メディア、そして根拠のない内容を「クリック件数が増える」という理由だけで人気検索ワードとして掲載し、もう一つの「ノイズ・マーケティング」をあおるポータルサイトにある。大衆文化評論家のキム・ウォンヨン氏は「今、人々が生きているのは、ヒットするためなら自ら進んで後ろ指指されてもいいという時代、うそのうわさを流す時代、そうしたうそのうわさを事実であるかのように広めるインターネットが支配する時代だ」と言った。

宋恵真(ソン・ヘジン)記者
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