巧妙化する「ノイズ・マーケティング」(上)

ドラマ出演直前に「熱愛説」
新アルバム発売前に「流出」
わざと「もめ事」作り「アンチ」集め


 所属事務所を移籍するときになると、熱愛説が飛び交う。ニューアルバムがリリースされる直前には必ず、一部収録曲がインターネット上に流出する。女性シンガーが「アルバムのジャケット写真が過激」という非難に頭を痛めるのも、「お決まりの儀式」だ。

 わざわざうわさのタネを作り、商品をPRするという「ノイズ・マーケティング」。芸能界で使われているこの手法は、ますます巧妙に、ますます厚かましくなっている。各インターネット・メディアはこうした商魂に便乗し、ファンはそれを知りながらもだまされてやるという時代が来た。


■盗作騒ぎ・音源流出…新アルバム発売時の「儀式」?

 つい最近、「アメリカの人気ヒップホップ・シンガー、フロー・ライダーの『ライト・ラウンド』を盗作したのではないか」とネット上で疑惑を呼んだBIGBANGのG-DRAGON(本名:クォン・ジヨン)。彼がソロデビュー曲「Heartbreaker(ハート・ブレーカー)」の一部をリリース前に公開した8月11日、ファンの間では「ノイズ・マーケティングではないか」と騒動になった。「Heartbreaker」の中でも一番よく似ていると思われる部分をわざわざ事前に公開し、盗作疑惑を作り上げたのではないかという声が上がったためだ。所属事務所YGエンターテインメント側は「とんでもない憶測」と否定したが、一部でこうした疑惑の視線が投げかけられたのは、これまでも新曲をリリースするたびに、まるで台本でもあるかのように盗作や音源流出などの騒動がよく起きているからだ。

 ここ1-2年の間、ニューアルバムをリリースするシンガーの中で、「メーンの曲がネット上に流出した」というプレスリリースを出し、「法的に断固たる措置を取る」といった見解を発表するケースが大幅に増えた。元S.E.Sのバダ、MCモン、T‐ARA(ティアラ)、OUTSIDER(アウトサイダー)、イ・ジョンヒョン、チェヨンらがこうしたケースだ。このようなとき、各ネット・メディアは事務所が発表した「見解」をそのまま記事にし、ポータルサイトはこれを「リアルタイム検索ワード」でPRする。匿名希望のある音楽評論家は「現在では新しいPR方法として考えられているほど」と言う。

宋恵真(ソン・ヘジン)記者
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