茶房、漫画房(漫画貸与店)、レコード店、理髪所、洋装店・・・・・・。みな今の韓国にもあるものだが、昔のそれは、名前も、たたずまいもまったく異なっていた。今のもののように華やかではないが、どこか素朴で目をひきつけられる1960年~70年代の韓国の町並み。最近、韓国国立民族博物館内につくられた、当時の街の様子を再現した「想い出の街」だ。茶房や洋装店などの看板には、かつて時代を風靡した、実在の有名店の名前が使われており、興味をそそる。「ノラノ洋装店」は、韓国で初めてファッションショーを開いたファッションデザイナー、ノラノ女史の洋装店を再現したもの。「約束茶房」は、当時の韓国でもっとも人気の高かった喫茶店のひとつだ。「思い出の街」を歩いていると、日本と似ているようでもあり、違うようでもある、過ぎし日の韓国を感じられる。散策に最適な9月、タイムマシンに乗って、40年前のソウルの街を訪ねてみるのはいかがだろう。景福宮の隣、国立民族博物館内に位置しているので、これらをまず覗いてから立ち寄ってみてもよさそうだ。
■想い出の街
*アクセス: 地下鉄3号線安国駅1番出口を出て大通りに沿い直進、景福宮東門から入場、民族博物館内 /地下鉄3号線景福宮駅5番出口を出て景福宮西門から入場、東側奥の民族博物館内、地下鉄5号線/光化門駅2番出口を出て、大通り沿いに直進後、光化門前で右折、景福宮東門から入場、民族博物館内
*所在地: ソウル市鐘路区三清洞キル35
*営業時間: 9時-18時
*定休日: 毎週火曜日
*TEL: 82-2-3704-3114
www.nfm.go.kr
記事=イ・ヒョンジュ、写真=韓国国立民族博物館