インタビュー:キム・ドンウク「今のイメージに満足」(上)


 俳優キム・ドンウクといえば、「ドラマ『コーヒープリンス1号店』(MBC)に出演していたイケメン」として記憶している人が多いだろう。コーヒーショップのウエイターでプレイボーイのチン・ハリム役を演じ、その独特な魅力で女性の心をわしづかみにした。

 あれから2年。キム・ドンウクは映画やテレビでひっぱりだこの俳優になった。同ドラマの後に出演した作品だけで、シチュエーションコメディー『大変な結婚』、映画『甘い嘘』『同居、同楽』『カフェ・ソウル』『オガムド』、ドラマ『パートナー』まで計6本。最近はミュージカルにまで活動領域を広げている。オファーも多かったが、何にでも挑戦してみたいと願う26歳の若さがそうさせたのかもしれない。

 そして今、新作映画『国家代表』(キム・ヨンハ監督、KMカルチャー制作)が公開を控えている。韓国のスキージャンプ国家代表選手らの実話を描いたこの作品でキム・ドンウクは、ただ軍隊に行きたくないという思いだけでチームに合流したクラブのウエイター、フンチョル役を演じている。この作品でイケメンのイメージを脱ぎ捨てたキム・ドンウクは、「期待してほしい」と言って笑った。

-最近一番忙しい俳優だと言われているが。

 「なぜかそういうことになった。幸運なこと。素晴らしい作品に巡り合い、それらを逃すことなくすべてやり遂げた。元々、何にでも挑戦してみる性格。やりたいことはしなければ気が済まないし、作品を選ぶことにわがまま(笑)」

-『国家代表』に出演することになったきっかけは?

 「シナリオの3分の1を読んで『これだ!』と思った。漠然とだけれど、必ず出演しなければならないと思った。そのときはまだどの役になるのか分からなかったけれど、どの役でもいいから必ず出演したかった」

 「僕が演じるホンチョルは、誰からも軽く見られるダサいチンピラのような男。自分では男らしくかっこよく生きていると思っているけれど、誰からもそう思われていない頭の悪い男。選手になってからもその性格はまったく変わらない。この映画の登場人物は皆同じ。個人的には成長するが、別人になるわけではない」


-特訓はかなりハードだったようだが。

 「真夏の3カ月間、本物の国家代表選手たちと一緒に厳しい特訓を受けた。食事をして練習して、また食事をして練習して…という生活。体力訓練が一番きつかった。練習が終わると、あまりにも辛くて部屋の中を転げ回ったほど。短期間で完成させなければならなかったため、体の具合が悪くても休むことができなかった」

-苦労した分、結束が固くなったのでは?

 「親友になってしまった。朝から晩まで一緒に生活し、家族よりも長い時間を過ごしたせいだと思う。映画の中では、実際の関係とは少し違い、一緒に運動しながら親しくなるけれど、一度も“ハグ”はしない。それがむしろリアルに撮れていると思う」

-高いジャンプ台の上は怖くなかったか。

 「平昌にあるジャンプ台はタワーの上にあるため、下が絶壁になっている。その怖さといったらもう…。上に立つと、本当に涙が出るほど怖い。軽い高所恐怖症なのでなおさら。最初は上で立つこともできず、地面をはって降りてきた」

 「仕方ないのですべてをあきらめることにした。高所恐怖症を克服する秘訣(ひけつ)などない。助けてくれと叫ぶことしかできない。僕が一番怖がったので、みんなにからかわれた。怖くてスキー場のリフトにも乗れないのに…。遊園地でも一番怖いのが観覧車。デートなんてとんでもない。観覧車に乗ったら彼女が僕を守ってくれなきゃ。考えただけで心臓が縮まる思い」

 「だから僕がこんな映画に出演したということだけで誇らしい。自分が自分を克服したという充実感。映画の完成度にも自信がある。

観客は間違いなく、映画の中に引き込まれるはず」

キム・ヒョンロク記者
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