ところが、男性タレントにとって、「学校」はまた別の問題とかかわりがある。兵役を回避するための「シェルター」として役に立つからだ。「幽霊学生」とも非難されているこうした人々のうち、かなりの数は大学に籍を置いているだけで、講義室に姿を見せることはない。この裏には、「人気があるうちに、できるだけ芸能活動をしておかなければ」という事情がある。大学院も同じ役割を果たしている。パク・ジニョンは最近のインタビューで、「兵役問題のためにタレントが関心もない専攻分野を選び、しかたなく大学院へ行くのは国家的な浪費」と語った。男性タレントに意外と高学歴が多いのはこうした理由があるからだ。もちろん、中には本当に学業に関心を持っている人もいる。
「果てしのない競争」の中にいるタレントたちにとって、普通の学校生活は逆に「ぜいたく」なのかもしれない。しかし、海外のテレビ局やプロダクションでは、双方の合意の下、学校に通うことを希望する若いタレントのため、収録やリハーサルの時間を調整するという「配慮」が行われている。スターである前に、将来を担う若者である彼らにとって、学業も一種の権利だという認識が広がっているからだ。「一発当たればいい」といった考えが浸透している韓国では夢のまた夢だろう。
韓国のある芸能プロダクション代表は「ついこの間まで、当社では練習生たちに“大学に行くつもりがないなら、CDは出してやらない”と話していた」という。学業が問題なのではない。その年代でしかできない同世代の若者との交流は、ファンや一般の人々とコミュニケーションする感性を育てるのに不可欠だという思いからだ。「一時の稼ぎ」で終わらせたくなければ、若いタレントたちにとって、普通の学校生活は「ロングラン」の中核を担う可能性が高い。それだけでなく、普通の人として、彼らの一生のことを考えると、「教室」が大切であることは言うまでもない。