「映画を模倣した再演ドラマを見ているような感じがしました」
これは、MBCテレビで放送されている週末ドラマ『チング~愛と友情の絆~』の視聴者掲示板に最近書き込まれた意見。MBCは最近、週末深夜の時間帯に、大ヒットした映画をリメークし、ドラマとして放送する実験を行っている。『チング~愛と友情の絆~』の前に放送された『ストライク・ラブ』も、李賢世(イ・ヒョンセ)の漫画『恐怖の外人球団』が原作だが、視聴者の多くは1986年に公開された李長鎬(イ・ジャンホ)監督の映画『恐怖の外人球団』をまず思い浮かべる。映画をリメークしたり漫画を原作にしたドラマの結果は、芳しいものではない。
『ストライク・ラブ』は7-8%という低い視聴率のため早期打ち切りとなり、『チング~愛と友情の絆~』も9%前後という視聴率に低迷している。SBSの『いかさま師~タチャ』も事情は同じだ。一体なぜなのか。
◆既に慣れ親しんだ内容、新鮮味なし
『チング~愛と友情の絆~』は、2001年に公開され観客動員数818万人を記録した映画『友へ チング』のクァク・キョンテク監督が演出を担当した。そのせいなのか。映画を長くしただけという印象を強く受ける。
ある視聴者は、「ドラマを見ながら、原作映画の場面としきりに比較するようになり、夢中になれない」と語った。基本設定はもちろん、場面構成や撮影場所も映画とさほど違わないため、視聴者の立場では次の展開が気にならない。JSピクチャーズのイ・ジンソク代表は、「実に念入りに撮ってあるのに、新鮮さがないのが残念だ。ヒョンビンやキム・ミンジュンなど俳優らの演技のトーンも映画とまるで同じで、再放送を見ているような気分になる」と語った。
『ストライク・ラブ』も、原作を時代に合わせて再解釈しようという努力がほとんど見られない、という批判を受けた。
◆ドラマに合わない素材、制作陣の判断ミス
昨年SBSテレビで放送された『いかさま師~タチャ』は、ホ・ヨンマンの同名漫画が原作。映画『いかさま師/タチャ』が興行面で成功を収め、ドラマ化された。しかし視聴率は15%前後で、さほど注目を集めることはなかった。
当時、一部の専門家は「漫画『いかさま師』では賭博・暴力・セックスを正面から扱っているが、テレビの画面では表現上の限界があるのではないか」と失敗を予言していた。『チング~愛と友情の絆~』も同じ罠(わな)にはまっている。原作を考慮するなら校内暴力や暴力団組員たちの物語を赤裸々に扱わなければならないが、「19歳以上視聴可」にランク付けされたとはいえ、映画のような「リアルな」場面が描かれることはないだろう。視聴者掲示板には「モザイク処理された画面があまりに多く、集中できない」という不満が殺到している。