マッククスを食べに春川までひとっ走り?

 「最近、美食家の間では冗談半分で『今日のランチは春川でマッククス(そば粉を使った冷めんの一種)でも食べようか』と言うことがある」。これはレストランガイド「ブルーリボン」の編集長キム・ウンジョさんの言葉だ。こんな冗談が言えるようになったのは、7月15日にソウル-春川を結ぶ京春高速道路が開通したため。ソウル江一インターチェンジを出発し、春川・朝楊インターチェンジまでわずか38分しかかからない、と京春高速道路側は説明している。もちろんこれは渋滞せず、全区間を最高制限速度の時速100キロで走った場合のことだ。この通りに車を走らせることさえできれば、昼休みに春川でマッククスを食べてくる、ということも不可能ではない。しかしこれは果たして実現可能なのだろうか。開通前、京春高速道路を実際に走ってみた。目的地は春川の「柳浦里マッククス」。


11:00、江一インターチェンジ=江一インターチェンジに午前11時に到着した。オリンピック道路を利用し、彌沙里方面に向かう。江東大橋と江一インターチェンジを過ぎると、巨大な「京春高速道路」という標識が見える。この高速道路で春川方面に向かうスタート地点だ。一番内側の道路を走ると、そのまま京春川高速道路につながる。進入路をふさぎ、一般の出入りを統制した。バリケードを横にずらして入った。まさに最終工事の真っ最中だった。出発は午前11時。できたばかりの道路はガラスのようにツルツルしている。1.7キロほど走ると、 彌沙インターチェンジ。ここまでは8車線と道路が広い。その後すぐ西宗インターチェンジがある。高速道路の下には北漢江が流れている。西宗インターチェンジでナビゲーションに「両水里」と入力すると、約13.5キロ、所要時間15分と表示された。雪岳インターチェンジと江春インターチェンジ、南春川インターチェンジを次々と過ぎていく。


11:45、朝陽インターチェンジ=江一インターチェンジを出た後、朝陽インターチェンジに到着するまでの所要時間は45分。工事が終わっていないせいか、路上に何人も人がいるせいで、全区間を時速100キロで走ることはできなかった。朝陽インターチェンジの正式な開通は8月1日のため、それまでは南春川インターチェンジから国道に出なければならない。高速道路が開通しても、交通渋滞のために時速100キロで走ることはできないだろう。マッククスを食べるのが目標だが、まずは昭陽湖に向かって走ることにした。朝陽インターチェンジを下りてすぐ、ナビゲーションに「昭陽湖船着場」と入力してみた。距離は28.63キロ、所要時間40分と表示された。南春川インターチェンジから昭陽湖船着場までの距離は30.76キロ。所要時間は44分だ。

12:25、柳浦里マッククス=昭陽ダム駐車場に午後12時15分に到着した。予想到着時間より10分早かった。平日のせいか、道がほとんど混まなかったからかもしれない。今回の春川行きの目的は「昼食にマッククスを食べること」だったため、すぐに車をUターンさせ、 柳浦里マッククスに向かった。午後12時25分。ソウルの江一インターチェンジを出発してから1時間25分で目的地のマッククス店に到着した。

 蒸し豚(1万ウォン=約770円)とマッククス(5000ウォン=約385円)を注文した。まず、熱いめんのゆで汁がたっぷり入ったやかんと大根の歯のキムチが出てきた。ゆで汁にしょうゆを少し入れて飲んでいると、脂がキラキラ光る蒸し豚が皿の上にたっぷり盛られて出てきた。熱々で柔らかく、適度な歯ざわりとコクがある。豚肉にエビの塩辛を少しつけ、大根の葉のキムチと一緒に食べていたら、豚肉をほとんど食べ終わったころマッククスが登場。

 大きな冷めんの器には、そば粉を使っためんがたっぷり入っている。めんの上にはのりのほか、すりごま、粉唐辛子、ネギ、しょうゆで作った薬味がかかっている。マッククスと一緒に出てきた白いプラスチックのやかんの中には、トンチミ(水キムチ)の汁と大根がたっぷり入っていた。この店のマッククスは肉のスープを使わず、トンチミの汁だけを加えてさっぱり食べるのが特徴。そば特有の歯ざわりと香りが逸品。

14:07、江一インターチェンジ=午後12時42分に食事を終え、ソウルに戻る。朝陽インターチェンジに到着すると、午後1時22分。40分かかった。ナビゲーションに朝陽インターチェンジがまだ登録されておらず、途中で少し道に迷ってしまったからだ。江一インターチェンジに到着したのは午後2時7分。45分かかった。やはり38分で走破は難しそうだ。

 午前11時にソウルを出発し、春川でマッククスを食べ、ソウルに戻るまでの時間は計3時間7分。時間に追われながら働くソウルの会社員が、昼休みに春川までマッククスを食べに行くのは難しそうだ。しかし、これまでソウル-春川を行き来するのにかかった時間に比べれば、はるかに短縮され便利になったと言えるだろう。

キム・ソンユン記者 , 写真=イ・グヒ記者
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