釜山っ子オススメの1日旅行記(上)

真夏のパーフェクトなスケジュール

 旅行は選択の連続。どこで何を見るか、何を食べるか…数多くのプランの中から選択しなければならない。もちろん、旅行会社のパッケージツアーは素晴らしい観光スポットをお勧めしているけれども、全部が全部いい場所というわけでもない。商業的な事情から、ほどほどのところまでしか紹介していないからだ。というわけで、地元・釜山っ子たちが教えてくれる、とっておきのスポット情報を入手。このコース通りにたどれば、きっとあなたは「本当の釜山」に会える! 

■09:00 キム・ヒデおばあちゃんの元祖「釜クッパ」

 今日1日のツアーは、釜山のリゾート地・海雲台で有名な牛肉クッパ(スープかけご飯)店の朝食からスタート。海雲台リベラホテル裏にあるこの店は、先代から2代続く老舗で、30年以上も営業している。この店の特徴は、値段が良心的ということ。メーンメニューの牛肉クッパとソンジ(固めた牛の血)クッパは3000ウォン(約230円)だ。それも、もともと2500ウォン(約190円)だったが、昨年末からやむを得ず値上げしたとか。しかし、味は1000ウォン札3枚分のものではない。一口食べればすぐに分かる。スッキリした味。量もちょうどよくて、食欲がない朝にはピッタリ。クッパと一緒に出る副菜は、千切りにした大根のあえ物にカクテギ、そして野菜のしょう油漬けだけ。特に、しょう油漬けはクッパだけではちょっと物足りない「1%」の部分を補ってくれる。デザートにヤクルト1本をサービスしてくれる、パーフェクトな朝食セットだ。

*アクセス=地下鉄2号線海雲台駅下車3・5番出口から5分、海雲台31番バス終点前
*住所=釜山市海雲台区佑1洞612-1
*Tel=051-743-3888
*営業時間=24時間
*休業日=年中無休

■09:40 海雲台海岸

 おなかがいっぱいになったら、さあ、観光へ。クッパの店から歩いて5分のところにある海雲台海岸を散歩がてら歩いてみる。実はここ、「釜山といえば海雲台」「韓国の海岸といえば海雲台」というくらいの代表的な観光スポットで、韓国の名勝八景の一つだ。オーストラリアのゴールドコーストと比べても見劣りしない海雲台は、長い海岸線とびょうぶのように連なるホテルなどの高層ビル群が美しい。

 7・8月(特に7月末-8月初め)には、夏休みやリゾートシーズンを迎え、砂浜を覆い尽くすほどの人波に出くわすだろう。海水浴とまでは行かなくても、カモメと一緒に砂浜の上を歩き、さわやかな夏休みのひとときを満喫してみては? 7月には韓国の超大作映画『海雲台』も公開される。

■10:40 釜山アクアリウム

 海辺でひとときを過ごしたら、次は海の中へ。海雲台の海岸沿いにある釜山アクアリウムは、韓国最大の海底トンネルを持つ海洋テーマパーク。展示生物数は約400種類、3万5000個体で韓国最大。

 世界各地の熱帯淡水魚や海水魚などが観察できるのはもちろん、映像に合わせイスが動き、海の中をバーチャルで体験できる「3Dライダー」やボートに乗ったり、大水槽のサメが迫力満点の「サメ水槽観覧船」、水中マジックショーを楽しんだりと、見どころがいっぱいだ。

*アクセス=地下鉄2号線海雲台駅下車、海雲台海水浴場観光案内所隣り
*住所=釜山市海雲台区中1洞1411-4
*Tel=051-740-1700
*営業時間=平日午前10時-午後10時、土・日・祝祭日午前9時-午後10時
*休業日=年中無休

■11:40 月見峠

 今度は、あまり人がいない場所へ。名前からして趣深い。その名も「月見峠」。海雲台海水浴場から松亭海水浴場へと続く臥牛山の中腹にある峠道だ。くねくねと15回も曲がりくねるので、「15曲道」とも。デートでドライブするのもいいが、車から降りて、歩いてみるのもお勧め。実は、今回の釜山ツアーのテーマは「散歩」。車に乗ってササッとめぐる旅行は味気ない。海東竜宮寺へ至る道すがら、山桜や松が並ぶこの月見峠から遠く海を眺め、しばらく感傷に浸るのもいい。夕暮れ時に来れば、有名な月の出を見ることもできる。周辺にはシックなカフェ村やギャラリー、そしてレストランが多い。

*アクセス=地下鉄2号線海雲台駅・中洞駅からタクシー利用がお勧め

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