◆『国家代表』:新領域を切り開く
『国家代表』はスポーツ映画として新たな領域とスペクタクル性を開拓したと評価されている。ファン・ヒヨン氏は「スキージャンプというテーマをあれほどリズム感よく描くのは難しかったはず。韓国では取り上げるのが難しかった領域を開拓したという点で、高く評価する」と話す。チョン・チャニル氏は「スキーシーンの壮大さは、『海雲台』よりも素晴らしい」と絶賛した。イ・ドンジン氏も「この映画の一番素晴らしいシーンはスポーツシーン」という。観客のチュ・ウネさん(22)は「スピーディーな展開で緊張感があり、作品に入り込める」と語った。
その一方で、行きすぎた演出が繰り返される点が指摘された。イ・ドンジン氏は「登場人物(の性格付け)がとても薄っぺらで、人為的な演出により感動を絞り出す映画」と批判。ファン・ヒヨン氏は「観客の気持ちを動かせるという自負心が強すぎて、拒絶感がある」という。映画コラムニストのキム・ヒョンソク氏も「登場人物それぞれの葛藤(かっとう)が最後に突然一つにまとまり、一件落着するような感じ」と評した。イ・サンヨン氏は「雪の上で一度もジャンプしないでオリンピックに出場した選手たちが善戦するという論理的な破たんがかなり多い」と指摘している。
韓国映画界の期待作3本が封切られた。『海雲台』(上)と『国家代表』(下)が好評な中、評価が分かれる『チャウ』(中央)が底力を発揮できるかどうか、注目だ。