インタビュー:イ・インへ、女優から教授へ(下)


 イ・インへは一時、1日も早くトップスターになろうと焦った時期もあった。しかし今は、自分はトップに立つスターではないという事実がむしろ、慰めになっているという。

 「芸能界というところは、自分の価値観が確立されていない状態でスターになると、混乱するようなことが多い世界です。わたしの夢はスターになることではなく、女優になることです。トム・クルーズのように、自分に与えられた役なら主演でも助演でも十分にこなせるようになりたいです。韓国の女優の中では、キム・ヒエ先輩のようにしっかり自己管理をし、情熱的に演技をする女優になりたいと思っています」

 このように幅広い分野で活動しているイ・インへに恋人はいるのだろうか。理想の男性はどんなタイプなのか。これまで特にスキャンダルはなかったようだが…。

 「以前、テレビ番組の収録で東方神起のユンホ(ユノ)と2PMのニックンが理想のタイプだと話したことがあるのですが、その番組の放送後、みんなに『そんなに若い男がいいのか』とからかわれました。いつも恋をしていたいと思っています。でも、隙がないタイプなので近づきにくい、とよく言われます。以前、仲のよい大学の後輩と一緒に、教会で5年間ボランティアをしたことがあるのですが、『男が必要のない女』と言われました。本当はそんなことないのですが…」

 これまでイ・インへの心をつかんだ男性はいなかった。結婚など考えたこともない。妻として、嫁として、母親としての人生を生きるためには、自分を犠牲にしなければならないときもある。そのすべてのことを成し遂げるには未熟だという思いがあるからだ。

 「わたしが理想とする夫は、まず性格がいいこと。そして、しっかりした環境で育った人。学歴や財力より、どういう人間なのかが大切だと思います」

 そんなイ・インへの思いとは裏腹に、母親はいつのころからか、婿についてたくさんの理想を描いていたようだ。しかし親子はあまりにも似ていた。顔や性格だけではなく、少女のように顔を真っ赤にして笑う姿まで。

 「子どものころ、学校では体力測定で鉄棒にぶら下がるのが得意でした。がめついところがあるので。何をしても最初はうまくかないけれど、時間がたつほど上達するタイプです。女優としてのイ・インへは、今のところ、ほかの女優より少し劣っていると思います。でも、これまでの過程は本物の女優になるための準備期間だったと思います。

これからは女優イ・インへとしての成長に全力を注ぐつもりです」

ペク・ウニョン記者
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