「日本の音楽市場はアイドルの領域がはっきりしています。だからBIGBANGは苦戦し得る可能性があったんです。日本のアイドルグループの概念とは次元が違うので。BIGBANGは、定型化されたイメージがないじゃないですか。だからとても心配していたのですが、思ったよりうまく適応しているようです」
そう語るのは、YGエンターテインメントのヤン・ヒョンソク代表。最近、本紙とのインタビューで、最高の人気を誇るアイドルグループBIGBANGについて、さまざまな思いを打ち明けた。その中で真っ先に話題になったのは、日本進出。ヤン代表は「日本ではイケメンがアイドルグループを構成しているため、大衆は平凡な外見のBIGBANGをアイドルグループとして認めないかもしれない」と笑った。だからこそヤン代表が選択した道は、底辺の攻略。「BIGBANGを2年間、インディーズで活動させ、小規模なプロモーションを行った。そして昨年9月、コンサートに2万人以上のファンが集まったのを見て、大手レコード会社と正式契約を結んだ」とヤン代表は語った。
「なぜ、BIGBANGが人気だと思うか」と聞くと、ヤン代表は「若い世代はもちろん、30-40代も音楽的な同質感を感じることができたからだろう」と答えた。
BIGBANGの中で、ヤン代表と最も長い時間を共にしたメンバーはG‐DRAGONとSOL(テヤン)。二人は6年以上、レッスン生として過ごしてきた。ヤン代表は「辛いレッスン課程を経て成長したメンバーたちなので、音楽的な実力が優れている。わたしは彼らが自分の技量を発揮できるよう、そばで補佐しただけ」と語った。「彼らを見て、型にはめられたアイドルではなく、自発的に成長するアイドルを育てたいという夢を持つようになった。ひとまず最初の段階は成功したといえるだろう」
BIGBANGはヒップホップを土台にした音楽活動をしている。しかし、ヤン代表は必ずしもそのように考えているわけではなさそうだ。「まず、BIGBANGはヒップホップグループではない。ヒップホップに情熱を持っているメンバーはG‐DRAGONとT.O.Pしかいない」と打ち明けた。ほかのメンバーの趣向はまちまちだ。SOL(テヤン)はR&B、D-LITE(テソン)はバラードやトロット、V.I(スンリ)は正統派ポップスに関心が高いという。ヤン代表は「だからなのか、彼らはどんなジャンルの音楽であろうと“BIGBANG化”させる力を持っている」と評価した。
「カメレオンのように変幻自在なグループという点で感心している。多くのジャンルをミックスさせて、トレンドを作っている」
ヤン代表が考えるBIGBANGの最も大きな強みは、「男性ファンに拒否感を与えない」ということだ。「初めから男性ファンを獲得できるアイドルグループを育てたかった。ほかの男性アイドルグループは、どうしても男性ファンが近寄りがたい感じがしないか」と話すヤン代表。
YGエンターテインメントは2006年、看板スターだったフィソンが移籍し、大変なことになるのではないかと懸念する声もあった。しかし、BIGBANGの成功で、そのような心配は一掃された。当時の心境を問うと、ヤン代表は「気分的にはよくなかった。フィソンに対してもBIGBANGと同じで、あらゆる考えや愛情を注いだ。正直、フィソンの移籍がちょっと寂しくはあったが、仕方のないことだと思っている」と語った。