5年ぶりに世界ツアーをスタートしたサイモン&ガーファンクル。彼らは元々、7月に東京や大阪など日本での公演を行った後、韓国で公演する予定だった。だが韓国公演は中止された。その理由は何か。
ある企画制作会社の関係者は、「交渉が遅れたため、韓国の業者はべらぼうに高いギャランティーを設定し公演開催を求めた。しかしサイモン&ガーファンクル側から、“不安だ”という理由で拒否された。韓国の企画制作会社の“金ならいくらでも払う”という姿勢が、かえって不安を募らせた」と説明した。
◆高いギャランティーに不安を抱くアーティストたち
2007年に来韓公演を行ったクリスティーナ・アギレラ。当時韓国でのチケット価格はR席が17万6000ウォン(約1万3000円)だった。一方、同じ時期に行われた日本公演のR席は7万ウォン(約5300円)だった。
08年のセリーヌ・ディオン来韓公演のときも、VIP席が22万ウォン(約1万7000円)、R席が18万ウォン(約1万4000円)だった。一方、東京公演はVIP席が13万ウォン(約1万円)、R席が10万ウォン(約7600円)だった。
今年行われるサイモン&ガーファンクルの日本公演のチケット価格は1万3000円。韓国で公演が実現すれば、約23万ウォン(約1万7000円)で販売する予定だったという。
日本と韓国のチケット価格にこれだけの差が生じる理由は、アーティストのギャランティーが違うからだ。日本は海外アーティストと交渉する際、これまで行った公演における利益率のデータをもとに、適正価格を設定するのが原則。どれだけの集客を見込めるか、コンサートグッズやCDの販売収益の程度などを示した上で交渉する。
一方韓国は、べらぼうに高いギャランティーを設定し交渉を進めるという。米国のエージェンシー、ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテインメント(WMA)は、「韓国の制作企画会社は日本よりもギャランティーを2、3倍高く設定して互いに競争する。代わりに、過去の公演での収益については示さない。ギャランティーが高いのはいいが、いまいち信用できない」と話した。