インタビュー:ブランクを乗り越えたコ・ヒョンジョン(下)


◆賢いコ・ヒョンジョン

 コ・ヒョンジョンは自らの女優論も語った。適切な表現を探すためじっくりと言葉を選び、その内容は中堅(?)女優らしく確信に満ちていた。

 「学校には満足に通えませんでした。テレビ局に行かなきゃいけなかったので。俳優はどこかで演技を学ぶと言いますが、わたしはその言葉がどういう意味か分かりません。歌手が美しい声を出す訓練をするように、俳優も体を鍛えることはできます。誰かに演技を学ぶという人を見ると、『そんなことをしたら、それはマネすることになるのに…』と思います。わたしは特に修練を積んだことはありません。19歳で演技をすれば、19年の人生が表れる演技になるでしょう。わたしは女優として仕事するとき、緊張感が張り詰めます。その緊張感がにぶっていないか、何度も振り返っています」

 10年間のブランクは自分自身を客観的に見ることができる貴重な時間だったが、女優としてはもったいない時間だったはずだ。コ・ヒョンジョンは時間について複雑な感情を持っている。

 「最近、胸がしびれ後悔を感じます。わたしは後悔をしないタイプなのに…。もう39歳なんですよ。30代中盤にさしかかった時、この時間を後悔してはいけない、きちんと整理しようと気持ちを引き締めました。過去を振り返りながら、現在見失ってるものがないか考えて。二度とこの時間は来ないだろうという当たり前の事実が、ある瞬間、頭をかすめました」

 企画に参加した読者の中で、映画について学ぶある学生が、学生(が演出する)映画にも出演する意思はあるか尋ねると、コ・ヒョンジョンはもう一度時間に対する意見を述べた。

 「何日かかりそうですか。(笑)できますよ。結局、時間との戦いじゃないですか。わたしは最大公約数を狙おうと思っています。時間は多くありません。適材適所に、とても効果的なところにわたしを使いたいという欲があります」

 演技以外にストレスを受ける部分について聞かれると、自然に子どもの話が出た。コ・ヒョンジョンは結婚後3年で長男を産み、その2年後に長女を産んだ。

 「演技以外に大きな悩みがあります。子どもたちの問題です。この席でこのように取り上げること自体、いいのか悪いのか分かりませんが、わたしは話しながら考えるスタイルなので、話を完結できないけれど…。とにかく子どもたちについての部分です」

 誰も取り上げることができない話を自らしてしまった。遠まわしに言ってもいいし、言及しなくてもいいが、コ・ヒョンジョンは変化球が嫌いのようだ。そんな直球を前に慌てたのはむしろ規格に参加した読者たちだ。最後にステキな質問が飛んだ。「女優としての職業意識には人生に対する姿勢が含まれている。女優として必ず守りたいものは何か」

 「本当の芸術家になることはできないとしても、芸術家になりたいということをあきらめてはいけないと思います。そうしなければ、とても簡単に何の危険もなく生きることができますが、このような席で堂々とすることはできないでしょう。女優として魅せる存在にならなければいけないときは、確実にいい演技を見せます。それ以外の部分は皆さんが見守ってくださるだろうという信頼が生まれました」

 コ・ヒョンジョンは、沈黙していた10年間、自分の日常を生きてきたが、その経験は今後の演技に役立つ大事な時間といえるだろう。コ・ヒョンジョンのこれまでの人生は、今後の演技がきちんと語ってくれるだろうが、「時間は多くない」という言葉のためだろうか、彼女のまた違う演技を早く見てみたい。

チャン・ソヨン記者
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