カレーにもトレンドがある。韓国は長い間、日本式のカレーを本場の「カレー」だと思って食べてきた。日本式のカレーとは、英国でインドの香辛料を商品化したカレー粉に小麦粉を炒めて作ったルーを加え、粘り気を出したもの。
しかし1990年代末からインド料理店が流行し始めたことにより、この「日本式カレー」は偽物扱いを受け、インドの「カリー」が本物だと言われるようになった。カリーに押され、韓国の飲食店から姿を消しつつあった日本式カレーが、最近大反撃に出ている。日本でカレーの作り方を学んだ人たちが「日本伝統のカレー」の味を提供しようと、ソウル弘益大学近辺を中心にカレー専門店をオープンしている。日本式カレーとインド式カリーが激しいバトルを繰り広げる中、ほかの地域のカレーも登場している。ソウルの有名カレー店をいくつか紹介しよう。
◆CoCo壱番屋
1978年に名古屋で創業、日本・ハワイ・中国・台湾に支店を持ち、昨年3月に韓国でも支店をオープンした。トンカツ、エビフライ、クリームコロッケなどのトッピング、ご飯の量(300グラムを基本に、100グラム単位で追加)、カレーの辛さ(甘口から普通、1-10辛)まで細かく選ぶことができる。ほとんどの顧客は「普通」か「1辛」を選ぶという。20種以上の香辛料と野菜を牛肉のスープで8時間煮込み、4日間低温で熟成させたカレーはコクがあり、ご飯に染み込むようによく混ざり合う。その秘訣はご飯。この店のご飯はとてもふっくらしている。
やや辛いという「1辛」でもそれほど辛くない。濃厚な深い味わいの中でかすかに辛さを感じる程度だ。辛さの程度はインドの複合香辛料「ガラムマサラ」で調節するが、「4辛」からはガラムマサラの粉が感じられ、少々食べにくいかもしれない。2000ウォン(約150円)追加すればミニサラダと飲み物がセットで付いてくる。ロースかつカレー8600ウォン(約630円)、ポークしゃぶカレー7400ウォン(約540円)、エビフライカレー1万ウォン(約740円)、野菜カレー7000ウォン(約510円)=すべてご飯300グラム基準=。江南1号店、鍾路2号店、ポラメ店がある。
◆あびこ
辛い日本カレーの専門店。カレーライス、カレーうどん、ハヤシライスの中から好きなものを選び、辛さの程度、カレーの具(ポーク、チキン、キノコ、ビーフ、シーフード)、トッピング(長ネギ、大エビの天ぷら、トンカツなど)を選ぶことができる。カレーの種類は辛くない「赤ちゃんカレー」から「1」「2」「3」「至尊」「辛」まである。注文が入ってから、洋銀の器にあらかじめ作っておいた基本のカレーにオリジナルの香辛料を加え、辛さを調節した後でさらに煮込む。ルーがさらさらしていてご飯とよく混ざり合う。
トッピングの中で珍しいのは「生卵」。カレーの上に卵の黄身が乗っている。これをルーやご飯と一緒に混ぜて食べるが、生臭さはなく、香ばしいカレーとよく合う。この店では、日本でポピュラーな「カレーうどん」も味わうことができる。カレーライス、カレーうどん、ハヤシライスはそれぞれ5000ウォン(約370円)で、カレーの具によって2000-4000ウォン(約150-300円)が追加される。トッピングは長ネギが無料、生卵1000ウォン(約75円)、コロッケ(2個)2000ウォン、チキンカツ3000ウォン(約220円)、トンカツ3000ウォン、大エビの天ぷら(2本)4000ウォン。「スタッフの投票」による1番おすすめの組み合わせは、「カレーライス+ビーフ+生卵+チキンカツ」だとか。ソウル市麻浦区西橋洞356-1、西橋ホテル別館B106(弘益入り口駅近く)。