昨年10月に自殺した故チェ・ジンシルさんが、2004年に広告主のイメージを失墜させたとして、訴えられていた裁判。大法院(日本の最高裁に相当)は原告であるS建設の訴えを認めた。
大法院は4日、チェさんとS建設の間で交わされた契約には品位維持の義務が盛りこまれているとし、原告敗訴の原審を破棄し、ソウル高裁に差し戻した。
チェさんは2004年3月にS社からモデル料として2億5000万ウォンを受け取り、アパート分譲広告の出演契約を結んだ。この契約書には、「本人の責任で社会的、道徳的な名誉を損ない、S社のイメージを失墜させた場合、5億ウォンを賠償する」という条項が含まれている。
チェさんは2004年8月、当時の夫チョ・ソンミン氏から暴力を受け、顔にあざができたまま病院内でインタビューに応じ、破損した家屋内部をマスコミに公開。S社はチェさんとの広告契約を打ち切り、損害賠償金5億ウォン、慰謝料4億ウォン、広告費用21億ウォン、総額30億ウォンの損害賠償訴訟を起こした。
1審ではチェさんに2億5000万ウォンの支払いを命じる判決が下された。しかし、控訴審ではチェさんは一方的に暴行被害を受けており、社会的、道徳的名誉を傷付ける行為を行ったとは見なしがたく、マスコミとのインタビューも夫の主張への反論や釈明のためだったとし、損害賠償の責任はないとの判断が下されていた。
今回の訴訟はチェさんの二人の遺児が被告となったが、二人とも未青年者であるため、チェさんの実母が法定代理人を務めている。