最近、韓国のグルメな女性たちの間で人気のちらしずし。
すしマニアたちがインターネットに掲載したクイズにこんなものがある。「『ちらしずし』はどのように食べればいいでしょうか」
(1)ご飯と具をビビンバのようによく交ぜて食べる。(2)箸」ですくったご飯の上に具を乗せて食べる。(3)スプーンでご飯を、箸で具を食べる。(4)自分の好きなように。
正解は(4)番。
最近、グルメな女性たちの間では「ちらずし」が人気だ。重箱に酢飯を敷き詰め、野菜や刺し身を乗せて食べる日本式のちらしどんぶりもの。たくさんの具を乗せた器が花を入れたかごのように見えることから、「花ずし」とも呼ばれている。日本ではピクニックや旅行に行くときのお弁当としても好まれる。機内食でも人気だ。大韓航空にビビンバの機内食があるように、日本航空にはちらしずしの機内食がある。箸や手で食べる普通のすしとは違い、食べ方が人それぞれなのもちらしずしの魅力の一つ。
しかし、すべての日本料理店でちらしずしを食べられるわけではない。朝鮮ホテル(ソウル市中区小公洞)の向かい側にある「本すし」や、ソウル市麻浦区の東橋洞ロータリーの「すしげん」がグルメに人気がある。日本料理を手掛けて18年という「本すし」のイム・ソンボさんに、ちらしずしを美味しく作るための秘訣について聞いてみた。
◆硬めに炊いたご飯が味の秘訣
ちらしずしの出来具合を左右するのは「ご飯」。すし飯を美味しく炊くことで有名なイムさんは、「コメを水に浸す時間、ご飯を炊く容器、蒸らす時間、ご飯の混ぜ方まで神経を使わなければならない」と話す。まずコメを水に浸す時間は10分以内で、普通のご飯(30分以上)より短い。もっちりしたご飯は混ぜるときに固まってしまうため、圧力鍋を使うのは禁物。普通の炊飯器や鍋を使用し、水も少なめに調節すること。蒸らす時間も大切だ。イムさんは「炊飯器のスイッチが炊事から保温に変わってから7-10分の間にふたを開けて、ご飯を器にあけなければならない」と話す。10分以上経ってしまうとご飯がべったりとしてしまうからだ。
◆お酢・砂糖・塩の比率は3:2:1に
酢飯の味付けにも要領が必要だ。イムさんの場合、酢・砂糖・塩の比率を3:2:1にする。酢・砂糖・塩が完全にご飯に染み込んだ後、レモン汁を小さじ一杯ふりかけるが、好みに合わせ、みりんや昆布を加えてもよい。酢・砂糖・塩を加えた後の混ぜ方も重要なポイントだ。まず、ご飯は熱いうちに混ぜること。そうしなければ酢・砂糖・塩が均等に混ざらないためだ。次に、しゃもじを立ててご飯粒をつぶさないように混ぜ合わせること。さらに、うちわであおぎながらゆっくり冷ますこと。イムさんは「ご飯が人肌程度に冷めてから具を乗せると一番美味しい」と話す。
◆お弁当ならゴボウ、カニカマ、カマボコを
具材にはどんなものが美味しいのだろうか。イムさんは「ちらしずしの長所は、どんな具を乗せてもいいところ」と話す。すし店ではサーモン、ヒラメ、タイ、マグロ、サヨリ、イクラ、ウニ、エビ、ウナギ、卵焼きなどを使う。日本航空の機内食の場合、蒸しエビ、ウナギ、錦糸卵の千切りの組み合わせや、カニとイクラの組み合わせなどが定番だ。
ピクニックのお弁当にはゴボウ、レンコン、ジャガイモなど醤油で煮詰めた野菜や、カニカマ、カマボコなどを具にするといい。ご飯がすし酢で味付けされているため、野菜は薄味にするのがポイントだ。