インタビュー:ク・ヘソン「目標は映画監督」


 「演技、絵、本…。このすべてが含まれているのが結局、映画でした」

 本業の演技をはじめ、小説家やイラストレーターなど、幅広い分野で活躍しているク・ヘソンが、最終的な目標は「映画監督になることだ」と打ち明けた。

 ク・ヘソンは最近、ドラマ『花より男子』(KBS第2)の撮影を終えた後、すぐに小説「タンゴ」を出版し、ファンを驚かせた。ク・ヘソンはこの本の挿し絵も自ら描くなど、絵にも関心があり、これまで描いてきた絵を集め、間もなく展示会を開催する予定だ。

 表面的には女優としての道を歩んでいるク・ヘソン。しかしク・ヘソンの将来の計画と目標は、その若さに似合わないほど明確だ。ク・ヘソンは「演技をして、絵を描いて、本を書くことは、結局、映画監督になるための過程」と話している。

 ク・ヘソンが自らシナリオを書き、演出した短編映画『愉快なコンパニオン』は2009年釜山アジア短編映画祭(BASFF)本選に進出。ク・ヘソンのこのような活動を批判的な目で見る人もいるが、ク・ヘソンは「人より少し早く始めただけ」と話し、むしろ現場の経験が足りないということに不安を抱いていた。

 「卒業はできなかったけれど、本当は演出が専攻でした。演劇映画科に通っていた時、教授の推薦を受け、途中で演出に専攻を変えました。もしわたしが女優になっていなかったら、今ごろほかの仲間たちのように演出部に所属し、現場で働いていたでしょう。でもわたしは今、女優として生きているし、演出部の仲間と同じことはできない状態。夢を実現させるため、今わたしが置かれている現実の中で、映画監督を目指し少しずつ準備を進めているだけ」。「そんなにたくさんのことを全部こなせるのか」と聞かれるが、監督の目で見るとすべて必要な経験、というのがク・ヘソンの考えだ。映画監督は一つの作品を作るために映像、脚本、演技に対する理解が必要だ。ク・ヘソンは映画に対する理解を広げるため、このすべてのことを自ら経験しているのだ。


 もちろん、この世にたやすく手に入るものなどない。価値あるものにはそれだけの時間と努力が必要だ。小説「タンゴ」はドラマ『花より男子』を撮影しながら書きためてきたものだが、ク・ヘソンは撮影の合間の5分や10分も無駄にしたことがなかった。先日、交通事故に遭った時も、ノート型パソコンを肌身離さず持ち歩き、トイレに行くときも持っていったほどだという。

 ク・ヘソンは「けがはしたけれど、指を使えなくなったわけではないので、入院中もパソコンだけは肌身離さず持っていました。入院したおかげで本の出版が早まりました」と笑った。

 「わたしが本を書いたり、演出をしたりするのを見て、『小説を書くことや監督は誰にでもできることではない』と言われることもあります。もちろん、わたし自身もわたしの映画や本がそれほど素晴らしいものだとは思っていません。今はただ、挑戦しているだけです。3-4年後に振り返ってみたら、今作ったものがあまりにも凡作で恥ずかしいと思うだろうけれど、そんなことは気にしません。少しずつ発展していけばいいと思っています」。

パク・ミエ記者
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