インタビュー:カン・ジファン、デビュー秘話を公開(下)


 そうしてドラマ挿入歌の担当者と出会った。「歌手としてデビューさせてくれると言うんです。数週間、カラオケボックスで練習をしたのですが、結局家に呼ばれました。焼酎でも一杯やろうと言った後、“僕は今、とても忙しい。ミュージカルを制作している知り合いが新人オーディションをするそうだ”って。一言で言えば、その人がほかの人に責任を押し付けたんです」

 周りの人は「ダメだろう」と話していたが、カン・ジファンは無謀だからこそ勇ましかった。ほかの人はジャージにジャズダンスシューズを履いているのに、カン・ジファン一人だけ、スーツに皮靴というスタイルだった。「ダンスはうまいのか。クラブには行くのか」というオーディション担当者の質問に、なぜかソウル江南地区のクラブに行っていると言えば、“金持ちに見える”だろうと思い、当時一番人気のあった「ジュリアナ」に行っている、と即答してしまったという。

 「クラブの常連たちは、ビールを一杯飲むと、自然とリズムに乗るじゃないですか。ぽかんとした状態で、一人だけ他の人とは違う動きをしました。本当に今までで一番恥ずかしかった瞬間です。それでも演出家に“やらせてください、掃除でも何でもしますから”と言ってすがったんです」


 そうしてカン・ジファンは舞台に立った。大勢いるダンサーの一人だったが、そのときの興奮やしびれた感じは今でも忘れることができないという。そのとき初めて「ファン」というものができた。「女の子二人がほぼ毎回来てくれました。不思議と、多くの観衆の中で僕だけを見ていてくれる四つの視線を感じたんです」

 その後、ファンクラブもできた。無名時代から共にしてきた熱い「愛情」のためか、カン・ジファンは自分のファンクラブから「カン教祖」と呼ばれている。その当時の四つの視線が4000個を超え、今や4万個になろうとしている。あのときの視線を忘れることができないからだろうか。カン・ジファンは一生俳優を続けると語った。「ジョージ・クルーニーやショーン・コネリーのように、白髪でもセクシーな俳優たちがいるじゃないですか。

僕もそんな俳優になりたいです」

崔宝允(チェ・ボユン)記者
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