韓国芸能界を取り巻く「自殺シンドローム」

 「自殺の悪霊」が韓国の芸能界をパニックに陥らせている。

 前途を悲観した新人女優ウ・スンヨンさんが27日に首をつって死亡し、2007年に歌手ユニさん、女優チョン・ダビンさんが相次いで自殺してから、しばらく治まりを見せたていたかのような「自殺の悪夢」がよみがえっている。ここ8カ月の間に、芸能人9人が自殺によりこの世を去った。

 タレントのアン・ジェファンさんは昨年9月、自身の車の中で練炭に火を付け、窒息死しているのを発見された。警察は自殺と断定。事業の失敗とそれによる借金が原因だという。しかし、遺族は未だにこの事実を認めていない。

 続いて翌10月には、「国民的女優」といわれたチェ・ジンシルさんが死亡した。悪質な書き込み、高利貸しをしていたといううわさなどが原因とされ、芸能界はもちろん、韓国社会全体をパニック状態に陥らせた。

 今年3月にはタレントのチャン・ジャヨンさんが首をつって自殺した。無名の新人だったが、故人が残した文書が公開され、大きな波紋を呼んだ。性的接待の強要や暴力など、芸能界にひそむ不正疑惑が浮上した。

 それだけではない。昨年後半からチャン・チェウォンさん、キム・ジフさん、イ・ソヒョンさん、キム・ソッキュンさん、イ・チャンヨンさんら芸能人が相次いで自殺した。「自殺シンドローム」と言っても過言ではないほど、悲劇が続いている。

 自殺の理由はさまざまだが、その多くはうつ病が絡んでいる。自分に課された問題を乗り越えることができず、死を選んだというわけだ。

 連鎖的な自殺が増える現象を指す「ウェルテル効果」など、芸能人の自殺は社会的な影響が大きい。最近、江原道で集団自殺事件が相次ぎ騒がしい中、社会の雰囲気をいっそう暗くしている。自殺せざるを得ないほどのつらさを抱えていたことは想像に難くないが、命の価値に対する根本的な考え方を見直す必要があるとの指摘が多い。

キム・ヒョンジュン記者
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