韓国の中年男女がアイドルに熱狂するワケ(上)


 今年で43歳になる主婦でフリーランサーのチョンさん。チョンさんは2004年から40回以上も海外旅行に出かけている。日本に20回、中国6回、タイ3回…。すべてアイドルグループ東方神起の海外コンサートを見るためだ。「芸能人に興味を持ったのは学生時代、忠武体育館で行われたチョー・ヨンピルのコンサートを見たときくらい」と話すチョンさんは、「東方神起がデビューした直後から ユンホ(ユノ)のファンになった」と話す。チョンさんは30-40代で構成されたユンホの「サポーターズ」を率いて、韓国のテレビ局で行われる東方神起の公開録画もすべて見に行く。「社会生活に疲れ、若いときのような情熱を失いかけていたが、一生懸命生きているユンホを見て力づけられた。あの子を見ていると…ただ幸せな気分になる」

 与党ハンナラ党は今年2月20日、ドラマ『花より男子』(KBS第2)の中のイケメン高校生グループ「F4」の顔に所属議員の顔写真を付けて政策を紹介するパロディーを、インターネット・ホームページに掲載した。ネットユーザーはこれに爆発的な反応を示した。髪は白く、顔もしわだらけの議員たちが制服姿になり、自分たちは「F4」ではなく「H4」だと叫んだ。典型的なハイティーンロマンスの同ドラマの主な視聴者層は30-40代の女性で、その割合は41.1%に及んだ。10代(31.5%)、20代(20.7%)よりはるかに高い数値だ。30-40代の男性の視聴率も18.2%。20代の4.6%と比べると、いかに圧倒的な数値であるかが分かる。

 最近の中壮年層は昔に戻りたがる傾向にある。美少年や美少女が登場するドラマやアイドルグループに熱狂し、フィギュアやプラモデルなど幼年時代に遊んだ玩具を買い込む。

 専門家たちは「不況で社会が不安定になったため、安定していて居心地のよかった幼年時代を懐かしむ心理」と分析している。

 最近、ヒット曲「Gee」で人気を集めた女性グループ少女時代。このグループは30-40代を中心に構成されたファンクラブ「少時党」の厚い支援を受けている。会員数は約700人。同クラブの初代会長で大学院生のチョン・ジェミンさん(35)は、「最初は『いい年して何をしているのか。変態か』などと言われたけれど、今は確実に認められている。最近の30-40代は上品に見えることに関心はなく、社会生活をしながらストレスを解消するところがないため、アイドルに引かれるようだ」と話す。

チェ・スンヒョン記者
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